第4話 大学生って楽しい

 時は遡り、大学4年生の春のこと。いつも通り居酒屋にバイトに来るとオーナーに面接を任された子が先に来ていた。何故か同じ大学で一緒にバイトしてる大和が頭を抱えていた。


「どうした? また女に振られたか? しょうがない。俺達はそういう種族だ切り替えて行こう。」


 そう励ましの言葉を伝えたが一向に返事が来ない。それどころか泣いている様で、それほどひどい失恋をしたのかと思っていた。


「おい。そんなに大失恋かよ?」


 そう伝えると急に大和が口を開いた。


「俺さ、今まで今日の日のために失恋してきたんだ。天使と出会うための捨てゴマだったのさ。」


 訳の解らないことを言い出し、事務室の方を指していっていたので、察することが出来た。可愛い子が面接に来て、最初挨拶されたときにノックアウトされたのだろう。


「ハイハイ。よかったねー。じゃぁ俺面接するから開店準備よろしくね。」


 そう伝えて俺は事務室に入った。

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