第3話 GMカンパニー

 結局間に合わず遅刻して出社した。普通の会社なら怒鳴り声が聞こえてくるところだが、この会社はそれどころか社長以外人がまだ来ていない。


「おはようございます。遅刻しました!」


「おはよう弥生くん! 遅刻何て珍しいね。 みんな今日は直行だから誰もいないよ」


 俺が入社したGMカンパニーはデザイン系の会社で広告等を手掛けている。営業がほとんどで何故か10人の社員のうち男性3名という会社で、入ってから気づいたがとてつもなく自由な会社だった。


「自分もすぐでますね。」


「わかった。後、今日凛ちゃん(奈緒の源氏名)に飲みにいくからねって伝えておいてくれるかい?」


 そして、社長は何故か奈緒の太客で俺が彼氏ということを知っている。良く店に行くときは連絡を入れてくれと必ず言われる。


「社長? 一応自分彼氏なんですが、そういうの頼みます?」


「ボーナスを、、、」


「直ぐ様連絡させていただきます!!」


 奈緒のお陰で社長のお気に入りになっているのは確実だった。それがいいのか悪いのかわからないが。


「それでも何であんなに可愛い子が君なんだい? 別に君が悪いというわけではないんだけど。付き合った経緯が知りたいんだよ。」


 社長に言われて、大雑把には答えられないので、ちゃんと何で付き合い出したかを話すことにした。

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