第2話 彼女2
目を覚ますと家についていた。あの1杯を飲んでから気を失ったところまでは覚えていた。後はどうやって家に帰ったかは覚えていない。
「あっ起きました? 昨日連れて帰って来るの大変だったんですよ~」
エプロン姿の奈緒が様子を見に来てくれたみたいで、水を持ってきてくれた。その水を飲みながら時間を見るともう朝の8時だった。
「ヤバい! 遅刻する時間じゃん。早く会社行かないと!」
「えー。起きたばっかりでもうでちゃうんですかー?朝しか会えないんだから、もっと構ってくださいよー」
駄々を捏ねながら抱きついてくる奈緒を引きずりながら、俺は身支度を始めた。奈緒は夕方頃から出勤して朝に帰って来るので休みの日以外は同棲してるにも関わらず、基本は会わない。
「こんなかわいい子が抱きついてるのに何でそんな素っ気なく出来るんですか!」
「それはね、仕事に遅刻しそうだからだよ」
「普通同年代の人なら仕事休んで一緒に居てくれたりします。」
「うん。君は20歳で俺23歳だからジェネレーションギャップだね。」
俺は社会人1年目で一般企業に勤めている。小さな会社だが、滅茶苦茶に社員仲のいい会社だから選んだ。
「そんなことばっかりいってるとお客さんとくっついちゃいますよ。」
「それは困る!!」
「じゃ仕事休んで下さい」
「仕方ないな。。。じゃ、仕事行ってくるわ!」
「ちょっ、何も変わってないじゃないですか!!」
そう言い残して走って家を出る。ほぼ毎日の様にこうなり、よくも飽きないで出来るもんだといつも思っている。
「もっと一緒に居たいのに~。あっ弥生さんからLINEだ。」
(明日休みでしょ? 俺有休だから遊園地行くよー! チケット棚に入ってるから)
「う~ん。こういうところが良いんだよな~」
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