第四章 再会 パート2エドナサイド

「すごーい、大きな街」


 あたしたちはルナちゃんの誘いで、レイドの街に着いたところ。


「エドナさん! まったく、子供みたいに」


 えー!? こんな大きな街を見たらはしゃぎたいものでしょ?


「ところでルナちゃん〜」

「どうしたんですか?」

「わたしたちって〜、なんでこの街に連れて来られたの〜? アルヴスからは何の依頼も頼まれていないけど〜」


 そういえば・・・・・・、昨日の朝に急に出かけようと言われて、そのまま疑問に思わないでここまで来ちゃったんだ。


「すみません、ちょっと、兄さんに関して気掛かりなことがあって、その・・・・・・」

『訳ありかな?』


 ナギさんが話し始めたら。


「きゃーーー!!! 幽霊ーーー!!!」


 ユミルさんが騒ぎだしちゃった。


「ユミルさん大丈夫ですよ、無害の幽霊ですから」

『フォローになっていないから、エドナさん』


 ユミルさんもナギさんとお話できる腕輪を付けているのよ

 以前は「様付け」で呼んでいたけど、ユミルさんからは親しくよんでくださいとのことだから今は様では呼んでいないのよ。それはルナちゃんも。

 【鳥翼族】は背中に翼があるんだけど、なんでも、翼を小さくすることが可能みたいで、今は縮めいて、服の上からは目立たない。


「あれ? カチュアさんはなんでマントを?」


 確か……この街に入る前は着ていなかったような。フードが付いているマントで、それで頭を隠している。

 マントで隠れているけど、ハルトさん店で買った、大剣とこないだセシル王国から貰った【魔剣】? ていうものを背負っている。

 さすがに重たくないかしら?


「ルナちゃんが~、街に入る前に着るように言われていて~」

「カチュアさんは無駄にデカい胸を持ちながらも、蒼髪に蒼瞳も持っていて、目立ちすぎます」

「ちょっと~、無駄にデカいって、酷い~」


 怒っているみたいだけど……かわいい。

 そういえば、最初の頃のアヴァルの街に着いた時、周りの人に見られていったけ。


「君たち、見ない顔だね、この街は初めてか?」


 この街の人かな? 突然、男の人から声をかけられる。


「あなたは?」

「はっはっはっは!」


  急に笑い出しちゃった。


「わたしはベレクト。ガロン様の配下のものだ」

「そのガロン様の隊の人がなんでここに」

「話したいのは山々なんだか、口止めされていて、では、わたしはここで」


 そういって、すぐにこの場を去っていった。


「なんだか騒がし人だね」

「う〜ん」


 あれ? カチュアさんがなんか頭を抱えているわ。


「どうしたの?」

「あの人~」

「ベレクトさんがどうしたの?」

「なんか不思議な感じがするのよ~、表情に出しているよりも中はかなり騒がしい感じがするの~。なんて言うか、もっと、騒ぎたいって感じかな〜」


 頭がこんがらがってきた。つまり・・・・・・どういうことかな?


「うまく言えないけど、表情が感情よりも、騒がし差が抑えられているてことかな? 一応、場を弁えているからじゃないかしら、仕事中だし」


 うーん……ルナちゃんの説明でも、よくわからない。


「仕事って?」

「あの人は恐らく、先日の【魔物】襲撃のことがあって、警備でもしていたのではないかな?」

「街の人は知っているの」

「【魔物】が転送できる時点、奇襲が可能よ。そうなると帝国全体はパニックよ。それどころか、【転送術】が使えるなら当然、ヴァルダンの刺客が侵入している可能性だってあるよよ」

『そっか、そうなると、帝国の民は互いをヴァルダンの刺客と疑うようになり、帝国が大混乱になる』

「あれ? 確か、あの人、ガロン様の隊に所属していたと言っていたわね。なら、どうして、ここに?」

「どーしたの?」

「あ! なんでもないです。それよりも、一旦、宿屋に行きましょう」


 取り敢えず、あたしたちは宿屋に向かうことにした。




 ようやく、この街の宿屋に着いたよ。

 宿屋に入ろうとすると、カチュアが。


「皆は先に行っていて〜」

「どこに行くんですか?」

「散歩〜」


 そう言って、カチュアさんはどこかに行っちゃった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る