第一章 蒼髪の少女 パート8エドナサイド (修正版1)
「そんな・・・・・・人が・・・・・・」
将軍と呼ばれていた大きな男の人は人の型がまったくない怪物になった。もしかして、これはまさか、村長さんがいっていた【魔物】なのかな?
まるで・・・・・・二足で立つ巨大なトカゲ・・・・・・いいえ、伝承によく記される【魔物】の一種であるドラゴンに似ている。
「将軍・・・・・・」
「なんてことだ」
怪物は倒れている兵に向かって。
「エドナちゃん! 見ちゃダメよ~!」
「え!?」
カチュアさんは咄嗟にまたあたしの目を隠した。カチュアさんがあたしの目を隠すってことら・・・・・・カチュアさんは何が起きるかは察していた。
目を隠されているがけど音は聞こえる、兵の『やめて・・・』と声が聞こえる。そして、その後には『ぐわわわわわ』と叫び声が聞こえ。
目を隠されて何が起きているか見えないけど、叫び声の後は『くちゃくちゃ』と音がした、そう何かを食べる音と同じ。
「うううう」
人が食われている・・・・・・今は怪物になっちゃったが、あれは元人間・・・・・・それが人を・・・・・・。
「エドナちゃんは後ろに下がっていて! 少なくっても、後ろにはヴァルダンの人たちもあの怪物みたいなのもいないから大丈夫だと思いますが一応警戒はしてね~」
「わかりました」
カチュアさんの手は退かされ、目を開けると怪物の辺りに血が溢れ落ちていた。
あたしはまた、家の瓦礫で隠れられところに隠れた。
怪物はカチュアさん目掛けて襲いかかる。
しかし、カチュアさんは怪物の腕を受け止めた。
その状態からカチュアさんは怪物の顔面に蹴りを入れた。
あんなにでかい怪物を蹴りで吹き飛ばした。
さらに吹き飛んだ怪物の腹部を殴り飛ばす。
しかし、怪物になる前の大男と違い傷一つ付いていない。
だけど・・・・・・気のせいかな・・・・・・カチュアさんが殴った部分から煙が出ている・・・・・・。特に火なんて使ってもないのに。そんなことを考えている間に起き上がり、怪物は怯むことなく、カチュアさんを襲う。あたしは【魔術】で風の矢を作り放つ。
命中して怪物は吹き飛ばされた。
しかし、怪物は起き上がり、矢が命中したところには傷一つ付いていない。
「そんな・・・・・・」
「エドナちゃん! いつでも矢を放てるよう構えて~」
「でも・・・・・・」
「大丈夫よ~」
あたしはカチュアの指示通り、風の矢を作った。
体制を整えた化け物はカチュアさん目掛けて切りつけようとする。
カチュアさんはそれを交わし怪物の腕を蹴り飛ばす。
「ぐおおおおおおおお!!!」
カチュアさんは化け物の腕を腹部目掛けて蹴り。化け物の爪が自分の腹を突き刺さす。
けどまだ生きている。倒れているよしない。すぐに引っこ抜こうとする。
「エドナちゃん今よ! さらに押して!」
「え!? え・・・・・・そっか!」
あたしは腹を突き刺さしている腕の肘辺りに風の矢を放つ。
風の矢で化け物に刺さらなかったが、当たった衝撃で相手は吹っ飛んだ。つまり腹を刺している腕の手首部分に当てれば矢で押されるように爪が腹をさらに突き刺され、背中まで貫通する。
怪物は倒れた。
「もう、兵の気配はないは~」
辺りを見渡しても生存している人はいない。殆どの兵はあの大きな男の人に殺されてしまう。
「終わった……」
あたしは安心してためなのかな? 膝を曲げ、地面に座り込んでしまう。
戦いから数時間後。
あたしたちの目の前のお墓が。そう、村の皆のお墓。あれから、カチュアと協力して皆の埋葬を行った。
「あの……ありがとう、ございます。皆の埋葬を手伝ってくれて」
「辛くない?」
カチュアさんはそうあたしに聞くと、あたしはカチュアに笑顔で。
「今でも大泣きしたいです。でも、あたしは元気が取り柄です皆のためにも元気でいないと」
元気よくガッツポーズをとるとカチュアさんは笑顔を見せる。
しかし、笑顔だったカチュアさんの顔が再び真顔になった。
「どうしたんですか?」
「……何かこっちに向かってくる~」
「え!? もしかして、まだ兵が?」
「わからないけど~、大軍だと思う~」
となると……村に長くいるのは危険。それ以前にライム村は壊滅してとても住めるところではない。となると……。
「あの、カチュアさんと一緒にいていいですか?あたし帰るところがないので」
「七年間、今まで一人旅だったから仲間が増えて嬉しいよ~」
「取り敢えず、近くの街まで行きませんか? あ! 街までの道分からない」
「それなんだけど……」
カチュアさんは一枚の紙きれを出した。
「さっき、村の皆さんの遺体を運ぶ途中で地図を見つけたわ~」
「この近くにあるのは……このアウルというところです!」
「よーし、そうと決まれば・・・あ! いけない~、街まで行く準備しないと~」
「え?いいのですか?」
「旅に準備は必須よ~、なるべく急いで~、わたしは村の出入口で待っているから~」
「うん」
あたしはすぐに自分の家まで走って向かった。
準備が出来ると村の出入り口まで走る。
出入り口前にはカチュアさんが待っていた。
「もういいの?」
「はい」
「じゃあ、行きましょうか~」
「うん」
大きな荷物を持って、村から出ていく。
村が見えなくなるまであたしは村を見ながら歩いた。
第一章 蒼髪の少女 完
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