第一章 蒼髪の少女 パート4ナギサイド (修正版1)
やっと、追いついたわね。エドナって子、結構足が速いのね、カチュアも結構速いけど、走ってもはしても距離が全然縮まれなかった。
それにしても……なんであんなに胸が大きいのに速く走れるのかしらこの二人、重力でも操れるのかしら。
「あ! カチュアさん遅いです!」
「ごめんね~」
あのエドナって子、元気あるね。ちょっと危ない目にあったにも関わらず。あの子のいいところかな。
それにして……この二人なんであんなに速く走ったのに息切れしていないんだ? 何百メートル以上は走っていたのに。
「じゃあ、始めましょう~」
「はーい」
さって、エドナに追いついたところで狩りを始める。
ただ、私は森に入る前に気づくべきだった。まぁエドナが先に言っちゃったから、カチュアは追いつくに精一杯だから話す暇がなかった。
さっき、猪に襲われたとき、剣で斬りつける際に、『バキーン』と音がした記憶があるんだけど、あの時、すぐに背中にある鞘に剣を納めちゃったけど。
『カチュアちょっといいですか』
「どうしたの~?」
『カチュアの武器は?』
「剣よ~」
『使う武器じゃなくって。その……剣は……どこに?』
「背中の鞘に納めて……あれ? あららら~?」
鞘に収めていた剣を抜くと刃の部分が折れていた。
「あらあら~。いつの間にか壊れてのね〜」
『ええええええ』
というか、さすがに気づいてよ。
「よく剣は壊しちゃうんのよ?」
どんな使い方してたら『よく』が付くほど壊れてるのかしら。あと、ハテナの使い方間違ってる。こっちが聞きたいわ。
「あのー、どうしたんですか?」
エドナが尋ねてきた。
「さっき、猪を斬りつけた時に武器が壊れちゃったみたいなの~」
「そうなの? ……困ったわね」
『困ったわね』……て、それだけ? 重要でしょ? なんでそんなに呑気にいられるの?
「どうしましょ……」
『いや、武器がないと狩りできないよ』
「弓はあるけど……あたしの分しかないんだよ」
「だいじょぶよ〜。わたしは弓使えないから〜」
何が大丈夫?
「そうなの? 大丈夫なら仕方がないよねぇ」
だから、『大丈夫』の使い方が間違ってるから。あなたたち呑気過ぎるよ。まあ、慌てても無意味だけど。
『いったん村かどっかで武器を調達したほうか……』
「それじゃ日が暮れちゃうよ〜。現地ちょたつが一番よ〜」
『その辺に剣なんて落ちているわけないでしょ。戦場後でもないし』
「この辺には木の枝しかないんだよ」
あなたたち狩りしにいっているよね? 大丈夫なの?
『ぐゆゆゆゆ』と獣らしき唸り声が。
「え?」
「あらあら~、やっぱり、いたんのね~。すごく凶暴な熊さんが~」
『なんか、気づいていましたよって言い方ね』
「狩りしに来てたから、丁度いいかもって~」
『限度があるでしょ』
「凄いですねカチュア危ないのが来ちゃったのに冷静で」
呑気なだけだと思うんだけど。
『そんなことをいってないで逃げなさいよ! 逃げる時は絶対に背中は見せちゃダメだよ!』
「うーん、せっかくの大物なのに……熊さんなんて拳でとらえるよう~」
『普通に無理だから! いいから逃げるよ!』
「うーん……。じゃあ~」
カチュアは首をキョロキョロして。
「あ! ちょうどいいのがあった」
地面に何かを拾った。
『ちょっと大きめの石? どうするの?』
「こうするのよ~」
カチュアは投げる構えをした。そして……。
「そーーれ~~」
投げた瞬間、ものすごく強力な突風が襲いかかる。
熊の方を見ると。
『すごい……。胸元に穴が……』
熊の胸元に投げた石くらいの穴が空いていた。そのまま、熊は後ろに倒れていく。
投げた方向にあった木は熊のように穴が開いたり、倒れた木があった。
「やったわ~、今日はご馳走よ~」
「すごいすごーい。でも……肉がかなり削れています」
そこかよ。
「この熊さんどうしましょうか? かなり大きいから持ち運べないよ。ここで解体するかな。」
「じゃあ~、わたしがこれ持っていくね~」
自分よりも倍の大きさの熊を軽々しく担ぐなんてカチュアさんもしかして、かなりの
怪力の持ち主? あの細腕から考えにくい。
「すごーい! カチュアさん力持ちですね」
『あはは……。もしかして、素手でもいけてた?』
「もう~、さっきからいってるでしょ~」
そうは言っても普通は信じないから。その細腕から力があるのって誰だって疑いたくなるから。
正直、剣で戦うよりも素手の方がいいような。よく、壊しやすいて言ってたし、壊す原因もなんとなく分かっちゃたし。
「どうする? このまま帰るの~?」
「ううん、まだ続けるよ!次はあたしの捕らえるね」
「わ~、楽しみ~」
まだ継続するんだ狩りを……熊だけで充分だと思うけど……。
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