第一章 蒼髪の少女 パート3ナギサイド
カチュアが目を覚ましてからいきなり猪みたいな生き物に襲われるなんて。しかも、目を覚ましたばかりなのにいきなり斬りつけるし、中々できないことだよね。
それはそれとして……ここは現実世界よね……そして私は……カチュアの中にいる? どうやら、あれはカチュアの夢の世界というよりも何ていったらいいのか私の精神が彼女の中に入ってる? ことになるわよね?……。
にしても・・・。
「お腹一杯~。ご地蔵様でした~」
猪の丸焼きを丸ごと食べたよこの人。
カチュアが助けた女の子はカチュアが斬りつけた猪の肉を焼いてもらった。
「よかった! 急に倒れた時はビックリしましたんだよ」
「ありがとうね〜。わたし、もう三日も食べてなかったの?」
それは……腹が減るよね。
「あ! あたしはエドナです。ライム村に住んでいます。あのーさっきはありがとうございます」
「いいのよ~それにお互い様だから~」
このエドナという子も……おっぱいデカ、さすがにカチュアほどのインパクトはないけどやっぱデカしかも背小さ、最近の子は発達いいの?なんか胸元の服のボタンが取れてし。それにしても弓に矢を持っているから……このエドナって子は狩りでもしているのかな? 小さいのに……いや、胸がデカいし胸を除いた見た目以上の年齢かしら。
「わたしは~カチュアっていうの~」
「カチュアさんはなんか伝説の女将軍に似ているだよ」
『伝説の女将軍? どこかで……』
咄嗟に頭に思い浮かべる感じでなく口から言葉を出す感覚でしゃべってしまう。
「あれれ? 夢の人? どこにいるの?」
『聞こえるのか?』
「どうしたんですか?」
エドナが不思議そうに訪ねると。
「あれ? なんか声聞こえない?」
「ううん、何も聞こえないよ」
私の声がエドナには届いていない? でも、カチュアには聞こえる……。
『……もしかして、あなたしか声が聞こえないみたいね。私はしばらく黙っているわ。変な人に思われるといけないから問合図、周りに人がいるところでは私と会話はしないほうかがいいわ』
釘を刺したつもりでいた。そのつもりで……なのに。
「なんだかわかないけど~私以外にしか、聞こえない、うまく言えないけど……うーん……そっか! 幽霊みたいな人が居るみたいなのよ~」
『て、おい』
何話しているのよ、そんな別精神が宿っているって普通信じないから私のことは言わないほうがいいて釘刺しといたんですよ。それに幽霊みたいな人って何よ、背後霊か何かですか私。もっと、いい言い方はなかったの?
「そうなんだ! 不思議なこともあるみたい」
納得するんかい。
まあ、いいけどそれにしても幽霊は失礼でしょ。まあ、似たようなものと割り切るしかないかな……私はここにいないから。
「たしか……ナギだったよね?名前は」
あー確かそんな名を名乗っていったような?自分の名前も覚えていなかったから適当に名乗ったものだが。まあいいは。
『そうだけど』
「ナギでいいみたい~」
カチュアが通訳者みたいになっているんですけど。私が直接話せれば……。この子、会話がかなりスローペースだから。
「そうですか……あたしには聞こえないけどよろしくお願いしまはし」
いい子過ぎない? 普通信じないでしょ。側から見ると一人芝居している変人でしょ。
『話戻させて』
「あの……話戻すけど……女将軍って~【蒼炎戦記】の?」
「そうです。【蒼炎戦記】は約七百年前に起きた大きな戦いを記されたもので、強大な力を得た支配王とその妹の女将軍との戦いで最後は女将軍が勝利したという。カチュアは青い髪と瞳とこの辺では珍しい外形だ。なんとなく、【蒼炎戦記】に出てくる女将軍シェリアと特徴が似ているんだよ」
「そうなんだ〜」
なんだか、興味が無さそう。
それにしても【蒼炎戦記】に伝説の女将軍シェリアか・・・機会があったらそれ関係の書物を読みたいわね。
「カチュアさんはどうしてここに?」
「え? ええとお~わたしは…………」
長い、「わたしは……」といいながらも三分くらい口を動かしてないよ。
「長い間、一人で各地に周っているのよ~。もう七年も~」
夢ではカチュアのことは何も聞けなかったけどこの子一人旅していたんだ。あれ?
「七年も? カチュアさんって歳いくつですか?」
そうだよね。カチュアって見た目が二十代いくかどうかなのよ。その歳で七年前からって。
「うーん……十八歳」
「ということは……十一歳の時から!? どうして、その歳で?」
それは気になるよ。
「ちょっと、待っていてね……今思い出すから……」
いや、忘れてたんかい。でも、普通じゃないことは確かよ……十一歳で一人旅なんて。よく今まで無事だったよね。
「う~ん……自分探しの旅? かな~」
適当だな。しかも、聞きたいのはこっちなんだけど……。
それにしても自分探しの旅って何があった? 十一歳。進路を真剣に悩む年頃でもないでしょ……たぶん。
「そうなんですか?」
いや、そんなんで納得するのかよ。
「ところで何で河辺に寝てたんですか?」
それは気になる。あの夢って言うべきかはわからないけど・・・あれ以前には私はいなかったて、言っていたし・・・もしかしたら、私がカチュアの中に宿ったきっかけがわかるかもしれない。まあ、カチュアが覚えていたらの話だけど……。
「旅の途中でどっかの山にいたんだけど……足を滑らせて川に落ちちゃったの~」
『いや、ちょっとまって、あなた流されていたの?』
目を開けた時は河原にいたからその辺で寝てただけだと思っていたけど。いや、違うかあんな猪がいるのに呑気に寝るアホはいないか。
「山って、デク山のこと? ここから歩いて4日かかるところじゃない、そんな長く流されてたの」
「あらあら~、そんなに流されちゃったのね~」
いや待って。あんた、流されているのに呑気に寝てたの?
どういう真剣しているのよ。
もしかして、私も……その川で溺れていたかしら?死ぬところにカチュアを器にした……それで私の体事態は失った……それなら辻褄は会うけど・・・そんなことが出来ればの話だけど。まあ、この件はもう置いておこう、それよりも今よ今。
「エドナちゃんは一人で何していたの?」
「狩りをしていたんです。……まだ狩れていませんけど……その猪はカチュアさんが狩ったんです……」
ああ、やっぱり狩りしていたのね。でもこの子の頭に巻くスカーフって普通は耳を隠しておくものだっけ?耳も狩りをしていく中では必要なのに。まあ、隠していたからって、まったく聴こえないことはないと思うはず。
「あ! 申し訳ないけど~わたしをエドナちゃんの村に連れっていいかな~? 泊まるところがほしいの~」
「あの、私の家に泊まってもいいですよ。私、今は一人暮らしだし」
「いいの? ありがとう~」
「あ、そうだ、わたしも狩り手伝うね」
「えっ!?」
「お礼よ~。せっかく、獲ったお肉はわたしが全部食べちゃたし~。それに夕ご飯を調達しないと~」
「そっか!そうと決まればさっそくいきましょう」
『行っちゃった……。何か……あなたに似てるね』
「え? そうかな~」
うん、独特な世界観を持っているところが。
まあ、それは置いといて。
『……行かなくっていいの? エドナって子、もう見えないよ』
「……あー! 本当だ~、まって~」
遅れたカチュアはエドナを追いかける。
まったく。この子は世話が焼けるわ……。にしても……あの二人なんで初対面なのにあんなに仲が良くなったんだ? お互いお人好しなのか? ……悪い人に騙されなければいいのだか……それでもそういった勘がいいのか……いづれもあの二人はかなり危なっかしいのは確かよね。
こういうとき、精神で助かった・・・体があったらあの二人に振り回されて身体的が疲れそう……。なんか……複雑……。
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