第一章 蒼髪の少女 パート2エドナサイド

 村近隣にあるユグルの森。昔からここで狩りをしていた森。何度か……道には迷ったけど……今では道を迷わず村に帰ることができるだから。十四歳になってから。


「ん〜いい天気だねぇ。絶好の狩り日和だねぇ」

 

 さてと……兎でも鳥でもなんでも狩るよ。……できれは熊や狼はでて欲しくないかな……。

村長さんやハルトさん抱く、一番危険生物の生息率が低いらしく、他の土地ではユグルの森に生息する動物とは比にならない危険な生物がいるらしい。それは【魔物】と呼ばれていている。

生息率が低いだけでユグルの森にいないとことはゼロではない。あたしまだ【魔物】には遭遇したことない。【魔物】と呼ばれる生き物? には気を付けなさいて心配症の村長さんが言っていた気がする。

 あたしはまだ【魔物】をみたことはないが、村長さんの忠告でとにかく見たことがない動物には気を付けろと言われているくらいかな。うん、とにかく見たことのない動物は【魔物】と認識していれば取り敢えず大丈夫ね。

 獲物を探して、正面を向いた時、目の前に猪がいた。


「あっ! 猪発見! ちょっと危ないと思うけど……まあ、いいかな?」


 猪に気づかれないように草むらに隠れる。さっそく……。


「狙いを定めて……」


 猪に見つからないよう隠れながら弦を引く。右足を後ろに動いた。

 『バッキ』と下の方から音がした。


「あ!」


 なんか……枝らしき物を踏み潰してしまう。

 その音で気づいたのか猪がこっちを振り向き。


「あららら、ちょっとまずいかな……!?」


 こちらにすごい勢いで突進してくる。


「う、うそー!」


 慌てて、よけた私はすぐに体制を整えた。猪の視界に入らない木に登る。

 結構、身軽の方であっという間に木の高いところに登った。昔よりかはテンポよく登り

難くなっちゃたんだよ……。


「危なかった……。よし!」


 矢を取り、弦を引き、狩りの対象である猪に狙いを定めたが。


「あれれれ?」


 猪が見えない。辺りを見渡しても猪の姿がとこにもない。

 軽く下を向いても足場にしている枝ではなくあたしの胸が視界になってしまう

 仕方がなく、姿勢を低くして真下を見ようとすると。

 『メシメシメシ』となんか……やばい音がしている……。そして。


「わわわわ!!」


『バキーーーン』と枝が折れて落ちてしまう。


「いたたたた!」


 かなりの高さで落ちたのに怪我はしていない。

 お尻の方がなんか地面に着いた感じがしない。

 振り向くと。


「あらら」


 私と枝が猪の脳天直撃し、気絶しちゃった……。


「結果オーライかなぁ?」

 

 捕らえられたから目が覚める前に早速解体しないと……。

 さすがに猪一頭を運んで村に戻るのは無理なので解体して食べられるところだけ持ち帰らないと、食べられないところは殆ど骨ね。

 解体するには見渡しのいいところでやらないと、どこかないかな・・・確かこの辺に川があったはず……。

 ……あった。あれ? あれは・・・。河原の方に何かがいた。人かな……。倒れている! すぐにその人に駆けつける。


「体全体が濡れている! 流されてきたのかなぁ!? しっかりしてください!」


 倒れていたのは蒼い長髪をした女性だった。生きはあるけど体か濡れていて冷たい。あたしは女性の体を温めるため、火を起こす準備をした。

 その時だった。

 なんか後ろの方に音がしたので振り向くと。


「あ!」

 

 忘れていた……猪は気絶していただけで……まだ生きていたことを……。

 あたしが落ちて気絶した猪が起き上がっていた。


「まずいのかな?」


 猪が突っ込んでくる。

 思わず目をつぶったが。

 『バキーン』と音がした。

 その音で目を開けると目の前には血飛沫が。その先には女の人は剣を背中の鞘に納めた姿が。

 何が起きたかわからないけど、この女の人が猪を斬りつけたみたい。一瞬だけど女の人の瞳が見えた。綺麗な青色の瞳をしていた。


「すごい!」


 女性はふらふらし始めた。なんだか今にでも倒れそうな感じだから急いで女の人に向かったところ、女の人はあたしに目掛けて倒れた。そしてはあたしも倒れ、女の人の下敷きになってしまう。


「大丈夫ですか?」


 女性に声を掛ける。


「お……お……」

「お?」

「お腹がすいたわ~」

「え?」


 腹の虫というのかな……『きゅ〜』と音がなる。




 これがあたしと蒼い長髪をした女性カチュアさんとの出会い

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