第7話 なぜ!? ここにたどり着く!?

「そだな。野球やサッカーじゃなくても、百人一首でも青春モノでいいんだもんね。」

「卵焼き選手権とか、高校生おままごとでも青春モノができちゃったりして?」

「なんなんだ!? この世の中は!? 昔は定番しかなかったのに、今じゃ何でもありになっちゃったな。」

「野球と生卵投げ。種目は違うけど、青春モノの展開はおなじだからな。」

「「君のためにホームランを打つ」が「君のために生卵をぶつけるよ。」が同じ展開で使う言葉なんだよね。」

「百人一首なんてつまらないんだけど、札を取る時、風圧で相手を吹き飛ばすまでやってるからね。」

「魔法ではないけど、演出は魔法だね。」

「例えると、料理で玉ねぎを微塵切りにするだけで波動砲を打つ演出。ポーカでトランプを出すだけで虹色が神々しく飛び散る演出。」

「大げさだけど、そこまでしないと百人一首で成功はなかった。それが無ければただの好きだの嫌いだの言っている恋愛モノでしかない。」

「それは人気が出るほどウケないな。」

「基本に当てはめてみよう。」

 初心に戻ることにした。

「基本は、あやかし、ご当地、お仕事、謎解き、グルメらしい。」

「あやかし・・・・・・部員実は幽霊だったという、実は死んでましたオチ。」

「ご当地は、47都道府県の名前が使える。」

「お仕事は、学生なら部活かな。」

「謎解き? 沖縄に謎があるのか?」

「グルメは、ゴーヤチャンプルーにサンダーアーダーギがある。文字が合っているかは微妙。」

 これもショートギャグである。

「整理しよう。いや、その前に前提条件だ。予算のかかるCGはダメ。単純で予算のかからないものが好まれる。」

「ああ~だから日本は芸能人の人気が頼りか。アップシーンばっかりだもんな。」

「事務所の御威光が強くなる訳だ。」

「この大人の事情を踏まえて、改めて整理しよう。」

「おお!」

「あやかしは、実は友達が事故で死んで、自分の夢が甲子園で優勝することだった。死んじゃったので友達の体に取り憑いて野球部で甲子園を目指す。」

「超!? 青春モノだ!?」

「どうやった、このグダグダ感から、こんなきれいな物語のストーリーができるんだ!?」

「アイデアの神様! いつも、ありがとう!」

 結論として、アイデアや創作が出来なければ、どんなに文章がうまかったり、出版社にコネがあっても、書籍は売れない。パクったところで、まあ、熱意や思いが無いからだ。結論としては、お手上げなので、アニメ化して売るという手段しかないというのが現状である。

 つづく。

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