第6話 今度こそ沖縄県

「沖縄県! がんばるぞ!」

「おお!」

 脱線する。企画会議とは、そういうものである。

「県庁所在地は那覇市。」

「ナハナハですね。」

「誰がギャグでやっていたような。」

 話を本題に戻そう。

「国の名前は、沖縄県。都市の名前は那覇市。」

「それをカタカナにすると、オキナワ国、ナハ街。」

「オフショー・ロープ・プリファクチャー・・・・・・英語読みは無意味だわ。」

 英語読みは使えなかった。

「沖縄国。昔でいうと琉球国か。元はあるのよね、歴史的に。」

「海に囲まれていていて、独自の文化が発達した。」

「う~ん。普通に首里城がダンジョンになって、くらいしか思いつかん。面白くない。」

「アイデアの神様にフラれてますね。」

 本当に創作意慾が湧いてなかった。

「普通に青春野球モノにしませんか? 沖縄高校の4番でエースの那覇くん。名字だけで名前はいらんでしょう。」

 これがブービートラップ。確実に名前は苗字とフルネームいる。ないと後で困ったり、書くのが嫌になることは多数。これが異世界ファンタジーだと、カインだけ、シュナイダーだけの名前で許される。

「じゃあ、沖縄ネームだけで9人設定してみてよ。」

「はい。那覇、西表、石垣、宮古、久米、大東、伊良部、与那国、伊江。9人で決ました。」

「簡単に9人できたね。」

「まだ渡嘉敷とか、安室とか沖縄ネームを残してますからね。」

「おお!? 11人。サッカーチームもできるね。」

「地名=登場キャラクターの名前。これなら全国大会ができるな。」

「バスケなら5人。テニスなら2人で青春モノができる。」

「人数を減らしたスポーツなら、県大会もできますね。」

「なんか方向が青春モノっぽくない?」

 このちゃらんぽらんな感じが企画会議である。

「物語の世界観として、名前はありません。で押し通すか?」

「例えると、朝倉を甲子園に連れていくと、南を甲子園に連れていく。勝負あったろ?」

「だな。名字が地方の地名で誤魔化せても、形だけでも名前は付けなきゃいけない。」

「渡嘉敷・オスカルとか、安室・エリザベスとかだな。」

「なぜにハーフ?」

「そんなことはどうでもいい。47都道府県で1チーム9人として423人のキャラクターの誕生だ。」

「ガチャには困らないな。最高レア9選手揃えるまで、1人100万課金してもらおうか。」

「鬼。」

「何とでも言え。」

 この時点で私、佐藤、鈴木のキャラが個性的ではない。

「俺、日本一になる!」

「目指せ! 甲子園!」

 定番だ。

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