相手からから一方的に婚約を破棄されて、辛い思いをした伯爵令嬢のソニア。
そんな彼女が占い師のすすめで足を運んだのは、仮面舞踏会。そこで新しい出会いがあるかもしれないと言われ、やってたのですが……。
あったのですよ。素敵な殿方との出会いが。
彼の事をどんどん好きになっていくソニア。そしてついに結婚してほしいと言われるのですが……。その結婚は、普通じゃありません。想像を絶する、とんでもないものでした。
おそらくこの話は、読む人を選びます。
こんな結婚をしても、絶対に幸せになんてなれるはずがない。そんな特殊すぎる条件のある結婚を申し込まれた、ソニアの返答は?
歪な愛の先に、果たして幸せはあるのか。ぜひ読んでお確かめください。
三角関係/二股/同性愛/両性愛/非嫡出子。わざわざこちらで書き出すことではないかもしれませんが、これらは全て、本作につけられたタグの一部です。
これを見て普通の恋愛とはいかないと思ったあなた、正解です。
そもそも冒頭から、さる侯爵家の跡取りとその家の非嫡出子との、セリフレイディング案件から始まる過激さ。もちろん、こんなこととても公にはできません。
一方、貴族令嬢でありながら、婚約破棄により今後幸せな結婚など絶望的となってしまったソニア。
彼女は、皆が正体を隠して出席する仮面舞踏会に赴くのですが……
もうこの時点で怪しい雰囲気満載です。場合によっては、とんでもなくドロドロとした内容になるのではないかと心配するかもしれません。
しかし、書かれた恋路はほとんど全て甘く幸せなものへと導く作者様。こんな驚きの展開から始まる本作においても、その手腕は健在です。
ならば、この面々の恋路が如何なる形で幸せなものへと至るのか。それは是非とも自らの目で読み進めていってください。
学生時代に一方的に婚約破棄され、貴族の令嬢としての体面に傷がついてしまったソニア。
まともな結婚は望めまいと、一夜の恋を楽しむ仮面舞踏会に出入りするようになったソニアがそこで出逢ったのは――?
衝撃的な序話から始まるこの物語、最初のうちは、どうなるんだろうかとまったく読めず、どきどきそわそわしながら拝読しておりました。
王国シリーズの中でも異色作ではないでしょうか?
が、作者様の登場人物達を見守る優しいまなざしは健在で、安心して読み進められます。
不思議な三角関係がどこへ行きつくのか。
結末はご自身の目でお確かめください(*´▽`*)