--主要登場人物紹介--

年齢、称号、肩書はこの物語が始まる第一話、王国歴1049年秋頃のものです。架空の設定なので、混乱を避けるため貴族は姓と名のみに統一しました。ネタバレを含みますのでご注意ください。特にこの時点ではまだ物語に登場していない人物も数名おります。


***


ソニア・ガドゥリー(18)

伯爵令嬢。学院在学中に婚約破棄をされ、色々な心ない噂を流された。世間、特に貴族社会に対して斜に構えたところがある。婚約破棄の為に一年休学したが猛勉強の末、魔術師として王宮魔術院に就職できた。黒髪に緑がかった茶色の瞳を持つ。


ベンジャミン・モルターニュ(27)

王宮魔術院勤務。彼の父親は爵位を持っていないが、将来は跡継ぎの居ない母親の実家、ポワリエ侯爵家を継ぐと言われている。ソニアの同級生たちに言わせると超優良物件。いつもはふざけたことばかり言う彼だが、実は細やかな気配りの出来る人である。黒髪に濃い茶の瞳。


ルイ・ロベルジュ(26)

モルターニュ家の執事。ポワリエ侯爵の不嫡出子でベンジャミンの従弟に当たる。それについてはモルターニュ家では公認の事実である。頭脳明晰で剣の腕も立つ。ソニアと出会った仮面舞踏会ではアレックスと名乗っていた。髪も眼も茶色。


カトリーヌ・クロトー(18)

貴族学院時代からソニアの親友。男爵令嬢で実家はそれほど裕福ではない。単身王都に出てきて進んだ学院では好成績を修めて高級文官として王宮に就職する。金髪に灰色の眼と見た目は華やかで美しい。


ティエリー・ガニョン(24)

ガニョン伯爵家長男。ベンジャミンは親友同士だと言っているが、ティエリーの方はただの知り合いとしか思っていないようである。カトリーヌが配属になった執務室の室長補佐を務めている。穏やかで誠実な彼は優秀な文官として周囲の信頼も厚いが、実の顔は……? 弟のマキシムは学院時代から女学生に人気があり、有名人である。


ガドゥリー伯爵夫妻

ソニアの両親。ソニアの母親は娘が婚約破棄をされたことが切っ掛けで良い縁から遠ざかってしまったことを気に病んでいる。ソニアには兄が一人居る。


サミュエル、ダニエル・ロベルジュ夫妻

サミュエルはポワリエ家の元執事でポワリエ侯爵の子を身籠ったダニエルと結婚し、生まれたルイを実子同然に育てた。一家でモルターニュ家に仕えていたが、ダニエルは流行り病でルイが九歳の時に亡くなっている。サミュエルはルイとベンジャミンの秘密も薄々知っているようである。


モルターニュ夫妻

ベンジャミンの両親。母親はポワリエ侯爵の妹にあたる。ルイの一家を引き取っていることからも、夫婦は親切で善良な人々であると言える。ベンジャミンには既に嫁いでいる姉が一人居る。


ポワリエ侯爵夫妻

ポワリエ侯爵はベンジャミンの伯父でルイの実父。侯爵は今は亡き夫人に頭が上がらなかったからか、ルイは認知されなかった。夫妻は結局子宝に恵まれず、正式な跡継ぎとして甥のベンジャミンに白羽の矢が立っている。


占い師のおばあさん

繁華街に店を持っており、ソニアとカトリーヌが気まぐれで一度訪れた。ソニアが彼女に仮面舞踏会の入場券を貰わなかったらルイとも出会っていなかったかもしれない。


マダム・ラフラム

裕福な未亡人。自らの屋敷を月二回開放して仮面舞踏会を開いている。その収益はほとんど寄付しているらしい。


ソニアの元婚約者

ソニアが貴族学院に上がった十代初めの頃に婚約したが十五の時に婚約破棄し、隣国ブレトンの貴族令嬢と結婚してしまう。それ以来ブレトン国で暮らしているようだが……


ジャン=クロード・テネーブル公爵

王宮魔術院総裁。王国随一の黒魔術の使い手で魔術院のトップ。妻のビアンカに対しては非常に甘い。彼女に近付こうとする男性はまず追い払われるのは昔と変わっていない。


ビアンカ・テネーブル公爵夫人

王宮魔術院勤務で世にも珍しい白魔術を使う。彼女はその魔力により、時々人の心の中と将来が見え、動植物と意思の疎通が出来る。ベンジャミンはクロードに危険性のない男と認められているため、彼女の茶飲み友達という名誉ある立場に居る。


アナ=ニコル・ルクレール侯爵夫人

王宮魔術院勤務。カトリーヌの為にビアンカと一緒に魔笛を作った。王国歴1051年の初夏、王国南部に魔獣の生態調査の為に派遣される。近衛大佐の夫ジェレミーとの間に三人の子供がいる。


ナタニエル・ソンルグレ(22)

王宮魔術院勤務。ソンルグレ侯爵家の長男でアナの甥にあたる。ベンジャミンに言わせると彼はキラキラ王子様系らしい。色々あって結局アナと王国南部に派遣されることになり、そしてその地で……

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