6 エマ
現場に駆けつけた、エマ・ド・リュクサンブールはその場の空気に違和感を感じた。
連絡では、スシバーにて強盗事件発生したと。
だが、偶然居合わせた警官2名がこれを対応、逮捕し人質は全員が無事。
被害は店内のモニターのみに抑えられたと聞いていた。
そして言葉通りに、エマが現場に来てみれば、覆面を被った強盗犯達が床に伸びていて、手錠がかけられている。
そして唯一意識のある犯人は、手錠を両足にかけられていた。手は別のところにあるからだろう。
彼は苦悶の表情を浮かべながら、首の傷から溢れて止まらない血を手で強く抑えていたのだった。
マトリ……。
彼らの姿はもうここにはなかったが、たった2人でこの場を制圧したのは本当のようだった。
流石、と言うべきなのだろう。
エマは実際に目にした事がないが、マトリの班員は魔薬を使用したと聞く。
その並外れた力は、たった2人で銃を持つ強盗犯を相手取り、応援も待たずに人質すらも易々と解放してしまうのだ。
これにて一件落着、なのだろう。
だが、その場の空気は明らかにおかしかったのである。
何故か、解放されたはずの人質達は悪夢が去ったというのに今も尚、何かに怯えているようだった。
誰かが震える声でこう言った。
「悪魔が姿を現したのだ」と。
"吾班は猫である"おわり
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