小説を書く前に意識して欲しい事

一秒未来

小説の書き出しについて

 『面白い小説を書ける人は、良いレビュー書く』


という記事を最近見付けまして、私もカクヨムにて小説を投稿してみようという事で、早速実戦してみたのですが……全く文章を読み進められませんでした。


これは私が文章が読めない頭の弱いやつという意味ではなく、とある問題が散見され、その問題のため読み進められなかったのです。

それを皆さんに伝えたいと考え、書かせて頂く所存です。



さてさて、話しは戻りまして、勉強のためレビューを書こうと考えた私は、先ずカクヨム様の新着小説一覧をチェックしました。その中から星が付いておらず、レビューがまだない小説を幾つか選び、一話目を覗いてみたのですが、飛び込んできたのは以下の様な文章です。


※あくまで例文です。


 田中は拳を構える、原田の顎を打ち抜くためだ。原田もそれがわかっているのかガードを上げて警戒する。鈴木は外野から原田に向かって声援を飛ばす。佐藤も負けじと田中を鼓舞する。


「原田ァ!! 覚悟しろや!!」

「来いヨォ!! 田中ァ!!」



短いですがこんな感じです。何が問題なのかわかりますでしょうか。

ズバリ、”誰だよ田中とか原田とか鈴木とか佐藤って!?”です。

 

小説の何も説明の無い状態のまさに1文字目から固有名詞連打です。私の頭の中では知り合いの田中と原田が戦っているシーンしか浮かんでこず、正直言ってそっ閉じしました。ここで何が問題なのかと言うと、読者に対して配慮が全くなされていないという事です。


例えば、上述の文章でいくと田中はどんな男なのか、それとも女なのか、原田はデカイのか小さいのか。鈴木は? 佐藤は? 先ずそういった『キャラクター』を表す特徴を文章で入れてから固有名詞へとシフトするべきではないでしょうか?


※あまり描写が上手いとは言えないですが以下の様な感じです。


 額に傷のある、鋭い目付きの男が拳を構える。この学園を支配している田中だ。その正面には田中を警戒しているのか、両の腕を上げてガードを固める小男が佇んでいる。小男の名前は原田――昨日転向してきた一年だ。



こんな感じです。これであれば、何となく場面を想像出来ます。厳つい田中という奴と背の低い原田君が戦っているのだなーと。特に疑問に思う事なく”すんなり”読み進められるでしょう。”すんなり”というのが重要です。初めて読む知らない人の星もレビューも付いていない作品で、一行目から頭にクエスチョンマークが浮かんだら読者は読み進めません。それがどんなに面白いお話だとしてもです。



また、この問題は名前だけではありません。ファンタジー物でよくある魔法・魔術についても同様の事が言えます。


 ※俺の中二心が……火を吹くぜ!!


 俺は最果ての炎メギドフレイムを詠唱する。大勢いたモンスター達は消滅した。


「まぁ、こんなものか……」



 別にここは最果ての炎メギドフレイムではなくて、地獄の氷コキュートスでも破滅の光輪シャイニング=レイでもよかったが……結果としては悪くない。




こんな感じです。これを読んだ読者さんはこう思うでしょう。


”どうなってるんだってばよ”



と。正直、最果ての炎メギドフレイムだろうが、地獄の氷コキュートスだろうが、破滅の光輪シャイニング=レイを使うのは別にいいのです。むしろもっとやれと思います。しかし、それは『どんな魔法なの? どんな効果があるの? 強いの?』という疑問を生じさせると読者さんはそっ閉じするでしょう。


 ※あまり描写が上手いとは言えないですがry


 俺は右腕に特大の魔力を集中し、目の前の大群を倒すための魔術を詠唱する。イメージするのは――一片の塵も残さない炎!!


「消し飛べッ!! 最果ての炎メギドフレイム!!」


 突き出された右腕から迸る炎はモンスター達を飲み込み――一体残さず消し炭にした。


「少し……威力が強すぎたか」


 別にここは最果ての炎メギドフレイムではなくて、地獄の氷コキュートスでも破滅の光輪シャイニング=レイでもよかったが……結果としては悪くない。



こんな感じです。この辺りは魔法・魔術の設定にもよりますが、最初なのですから、読者にわかりやすくイメージしてもらえる描写を加えてもらいたいです。そうすることで、主人公の強さ、魔術の威力やイメージが浮かべやすく、物語に入りやすくなります。

今回は魔法・魔術を取り上げましたが、これは聖剣だとか伝説の武器だとかも同じ事です。どんな武器なの? 効果は? 威力は? 凄いの? 形は? などの疑問を読者に与えない様に配慮してサラりと伝えられれば、きっと誰かはちゃんと小説を読んでくれるのではないでしょうか。



もし、この記事をお読みになった方で、自分の小説はどうなのだろう……と悩まれている方がいらっしゃいましたら、言って頂ければ”全話読む”とは言えませんが、拝見させて頂き、拙いですがレビューを付けさせて貰えればと思います。


ではでは! よい小説ライフを!

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