第6話 約束 後編
美月が稽古に慣れて来た頃、地区の相撲大会が開かれていた。
その大会に三神相撲教室の子達は出場する。
「1人目は三神 春、2人目は、白鷺 涼花、3人目は、天ノ宮 日向」と告げると3人は元気良く返事をした。
この大会の団体戦は小学生と中学生が一緒のチームを組んで戦うものだった。
そして団体戦が始まった。
一回戦、3対0のストレートで勝つと、その勢いで決勝戦まで勝ち進んだ。
春が興奮しながら「日向さん、凛花さん後一つで優勝ですよ」と喋り掛ける。
日:「そうだね、春ちゃん泣いても笑っても団体戦最後の一番だね」2人はソワソワしていたが、涼花は冷静に「次の相手は前回の大会で私達に勝って優勝している所なんだからね」と返すと日向は「うん、そうだねでも前回は私だけだったけど今回は春ちゃんもいるし、涼花もいる。だから大丈夫だよ。」と返した。
そして、「これより団体戦決勝戦を始めます」と場内アナウンスが入り続けて、「東に三神相撲教室、西にさくら相撲クラブ」とアナウンスされた。
土俵下では三神相撲教室の3人が円陣を組んでいた。日向が「前回王者だけど私達なら勝てる、土俵に上がれば1人だけど、1人じゃないから」と言うと続けて「絶対に勝つぞー!!」と日向が叫ぶと春と凛花は「オー」と返し気合いを入れた。
そして、
それを聞いた春が「凛花さん、ナイスファイトでしたよ」と励ますと日向も「凛花いい相撲だったよ」と励ますと続けて「後は任せて」と返し凛花の頭を撫でた。
「大将戦 東天ノ宮選手、
前回の大会で2人は同じ決勝の土俵で相対していた。
行司が「手をついてまったなし!」2人は仕切り線に手をついた。行司が「はっけよい!」と叫ぶと2人は同時にぶつかり合った、川峰はつっぱりで日向の事を突きにいった。日向も負けじとつっぱりで応戦する。このままじゃ
川峰がまわしを引き寄りに転じた。
日向は川峰の両まわしを取っていた物の川峰の寄りが強く土俵際まで後退していき、片足が
日向は土俵際で粘っていた。
川峰が勝利を確信し寄って行くが、日向は諦めていなかった。日向は腰を落とし体を反って右にひねった川峰の体は宙に浮きそのまま2人は組み合った状態で土俵下まで倒れた。
2人は起き上がり行司の軍配を確認する行司が指を指していたのは、東の日向の方に軍配が上がっていた。日向がうっちゃりで勝利を手にした瞬間だった。
2人は土俵に上がり一礼し日向は勝ち名乗りを受け、川峰は涙を堪えながら土俵を降りた。
日向が土俵を降りると涼花が涙ぐみながら抱きしめた。
涼花:「心配したんだからね。でも勝って良かったよ」と言うと
そして三神相撲教室は地区大会の団体戦で優勝を飾り、地区大会の幕は降りた。
大会の帰り、日向は美月に団体戦の感想を聞こうとしていた。
日:「美月、今日の団体戦どおだった?」
美:「凄かった、お姉ちゃんかっこよかったよ」と返すと日向は少し照れた顔して「そお、ありがとう」と返した。
日向は美月の顔を見て話し出す。
日:「私ね夢があるの」
美:「夢?」
日:「そおいつか、美月 涼花 春ちゃんとチームを組んで団体戦に出場して、優勝をしてみたいの」
美:「え」
日:「団体戦は負ける悔しさや勝つ喜びを共有する仲間がいるの。私は美月と一緒に同じ土俵に立って、みんなと一緒に勝つ喜びを感じたいの」
美:「でも、私弱いよ」
日:「ううん、美月は弱くないよ強いよ」
日:「だって相撲教室の厳しい稽古について来てるし、美月はこれからだし、なんたって私の妹だからね」と言い美月の頭を撫でた。
そして、日向は「美月 涼花 春ちゃん、今日話した夢は今から約束に変わります」と言い放し日向は3人の顔を見て「みんな頑張ろう」と叫んだ。
こうして4人は約束を交わした。
優香が納得した表情で「なるほど、それが約束なのね」と春に返すと「そお、だから美月は相撲を辞めたりはしないよ」と返した。
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