第7話 強くなりたい
帰り道
美月は駅に着くと、自宅とは逆の方向の電車に乗っていた。
美月は車中でお母さんに「今日の帰り遅くなる」とメールをし、3つ先の駅で降りた。
駅から少し歩くと美月が足を止めて、「着いた、ここが
校内は広く、美月は校内の地図が載ったパンフレットを手に相撲場が有る武道館を目指し歩いて行った。
武道館には、柔道や剣道などの色々なジャンルの道場や格技場が並んでおり相撲部その中に有る。
美月が武道館に入って行くと、「相撲部」と書かれた立て看板が有り道場の外まで体がぶつかる音が響いていた。
美月は、恐る恐る戸を開け中に入ろうとした瞬間「おーい、そっちは違うんすっよ」と叫びながら女性が相撲部の方に走って来た。
美月は呼び止まれて、振り向くと上は大学のジャージで下はまわしを締めた女性が立っていた。
その女性は両手に段ボールを抱えていて、美月に「ちょとそこで待ってて貰っていいすか?」と声を掛けて来たので美月は「はい」と返事した。
女性が相撲部の道場に入って少し経つとその女性は道場から出て来て美月の顔見て少し微笑みながら「じゃあ、行きますか。」と美月に声を掛ける。美月は少し不思議そうに「はい」と返事をし歩き始めた。
女:「今さっきはごめんね、急に呼び止めて。」
美:「いえ、大丈夫です。」
美:「でも私、相撲部に用が有ったので」
女:「え、もしかして男子相撲部のマネージャー志望で見学に来てたとか?」
美:「いいえ、ここの大学に通ってる女子相撲部員に会いに来ました。」と返事をすると女性は
美月が少し慌て「もしかして、今さっき私が入ろうとしていたのって、男子相撲部の部室ですか?」と聞くと女性は「うん、そうだよ」と
女:「ごめんね、まだ名前を名乗ってなかったすね、私は
美「さっきはありがとうございました。千明さん」
千:「いえいえ大丈夫すよ。そんな、かしこまらなくて。
千:「自分も前までは迷ってましたし」
千:「で、美月ちゃんは女子相撲部員の誰に会いに来たんすか?」
美:「はい、
千:「
美「はい、私もそお思います。」
美「あの、まだ
千:「大丈夫すよ、上級学年の人達は帰りましたが、一年生は居残り稽古をしてるのでいるんすよ」と喋ってる内に美月達は女子相撲部の道場に到着していた。
千明が「そこで待っててもらっていいすか、今呼んでくるんで」と言い道場の中に入っていった。
少し経つと道場の戸が開き、まわしを締め
涼:「あら、久しぶりね美月ちゃん」
美:「はい、お久しぶりです
涼:「日向は元気?」
美:「元気です」
涼:「そお、それは良かった。で、千明から聞いたんだけど、私に用って何かしら?」
美:「はい、今日は
涼:「で、頼み事ってなにかしら?」と聞くと、美月は少し緊張しているのか手が震えていた。それを見ていた
それを聞いた美月は「ありがとうございます」と返事をし一呼吸置き話し始めた。
美:「
と返し美月は理由を述べていった。
美:「強くなりたいんです」
涼:「強く?」
美:「はい、先日私は、春ちゃんと一緒に女子大相撲の観戦をして来ました。そこで見た景色はすごいと言う一言でした。それと同時に私もあの土俵に上がってみたい、上がって相撲を取って勝ってみたいと言う思いも込み上がって来ました。
でも、お姉ちゃん達との約束もまだ果たしてない。今日、部内戦が有ったのですが全敗を喫してしまいました。
だから強くなりたいんです、強くなって団体戦の土俵に立って勝ちたい、女子大相撲の土俵に立ってみたいんです。なので、お願いします。」と息を切らしながら
涼:「そお、でも強くなるかは貴方次第よ」
美:「はい」
涼:「分かったわ、少し考えさせてくれないかしら?」
美:「はい、分かりました」
涼:「さて、今日はもう遅いし家まで送るわ」と言い、帰りの支度をし
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