第5話 約束 前編
帰り道
春と優香は一緒に帰っていた。
優:「ねぇ春、美月ちゃん大丈夫かな?」
春:「え、多分大丈夫だよ」
優:「でも、部内戦は全敗だったし、部長の
「それは無いよ、美月が相撲を辞める事は絶対に無い、私は美月を信じているから」
優香は少し不思議そうな顔して聞き返す。
優:「なんで、言い切れるの?」
春:「え、美月には私達と交わした約束があるから」
優:「約束?」
美月には、天ノ宮
美月が相撲を始めたのは
日:「お母さん、今日三神部屋の相撲教室に美月も一緒に稽古してもいい?」
母:「ダメよ」
日:「なんで、ダメなの?」
母:「なんでって、美月は体が弱いのよ何かあったら大変じゃない」
日:「大丈夫だよ、だってもう美月は小学5年生だよ、それに私が付いているし」
母「分かったは、好きになさい」
母:「でも、美月がやりたいと言うのならやらせなさい。
それ聞いた
美月の家も女子大相撲の相撲部屋で祖母の他界により日向と美月の母である天ノ宮 智枝が親方をしている。
三神部屋は週3回小中学生対象に相撲教室を開いている。
美月は
三神部屋の親方、三神 凛子と智枝は現役時代のライバルであり、親友だ。
智枝は凛子に電話を掛けていた。
智枝は凛子に美月が相撲する時はケガに注意して見てやって欲しいと言う心配する電話だった。
凛子はその言葉を聞いて「分かった、大丈夫だよちゃんと見てるから」と返し電話を切った。
隣にいた、
一方、美月は見学だと思い、上がり座敷に向かって行く所に凛子が声を掛けた。
凛子:「あぁ、美月ちゃん今日は相撲やってみる?」と美月に聞くと「私、体弱いですよ」と美月が返した。
凛子:「全然大丈夫、むしろ弱い体が強くなるかも」と少し焦った表情を見せながら返した。
その様子を見ていた
凛子は美月の顔を見て「強くなるよ」と力強く答えた。それを聞いた美月は「先生、お姉ちゃん、私相撲やってみるよ!」と返した。
美月が体操着に着替え終わると凛子が「まわしを締めなきゃね」と言うと凛子は倉庫から新品の白いまわしを持ってきた。そして凛子が「おーい春ちょと来て」と呼ぶと「はーい」と元気良く返事をし美月の近くに来た。
その子は白いまわしを締め上は体操着を着ていた。
凛子:「この子は私の娘、三神 春よ」と紹介すると春は美月に「今日から相撲を始めるんだね、一緒に頑張ろうね!ところで、貴方は?」と春が聞くと美月は「天ノ宮 美月、小学5年生です」と自己紹介をした。
凛子が春に「春、美月ちゃんのまわしを締めるのを手伝ってあげて」と告げると春は「はーい」と返事をし、2人は更衣室に向かった。
更衣室
春が「じゃあスボンとパンツを脱いで」と美月に告げると美月は驚いた顔をして「え、パンツも」と聞き返すと春は笑顔で「うん」と答えた。そして美月は恥を捨てパンツを脱ぎ始める。その瞬間、春が「あ、ちょと待ってバスタオル持ってくる」と言いバスタオルを持って来た。「バスタオルを腰に巻いて締めるから」その言葉聞いた美月は
2人が更衣室から出ると教室に参加している子供達がすでに土俵上に並んでいた。
四股やすり足の基本動作の稽古が始まり、美月は普段から
そして、稽古は終盤になり実戦形式の申し合いが始まる。
凛子が「まず、小学生から」と言い放つと小学生の子達が土俵の周りに集まり申し合いが始まった。
美月は稽古場の隅で四股を踏んでいた。その様子を見ていた
土俵上では春が相撲を取っていた。その一番は春が押し出しで勝ち次の相手を探していた。
春は美月が土俵に向かう所を見ていて、「お母さん次の相手は美月ちゃんにしていい?」と母である凛子に聞くと「いいよ、でも相手は今日初めて相撲を取る子なんだからね」と春に釘を刺した。
春は「分かってるって」と返事をし美月の手を取り2人は土俵の中に入った。
2人は
この後、春は凛子にこっぴどく
そして、申し合いは中学生の番になり
稽古が終わり相撲教室の帰り
日:「ねぇ美月、今日はどおだった?」
美:「うん、春ちゃんとの一番で春ちゃんは本気だった。」
美:「初心者で体の弱い私に本気で当たってくれた。」
美:「前お姉ちゃんは「土俵に入ったら真剣勝負」って言ってたのを思い出し私も春ちゃんとの一番は本気でぶつかった。」
美:「私は投げられ土俵に転がされた時、悔しさともっと相撲を取ってみたいと言う気持ちが込み上がって来たんだ」
日:「そうなんだ、で」
美「あ、ごめん長くなちゃた。お姉ちゃん私相撲やってみたい」と日向に言うと、日向は笑顔で「一緒にやろう」と返した。
その後、美月は三神部屋の相撲教室に入り春や日向達と稽古に励んでいった。
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