十一章:魔法の鏡よ姿を見せて
第1話 コウモリ少年
キッドがドアを開けた。
そこには、中毒者の子供がいた。
キッドがきょとんとした。
その子供は中毒者でありながら、正気であったのだ。
記録書を差し出す。
キッドが受け取った。
「ここには、魔法を打ち砕く方法が載ってます」
キッドが彼を見た。
「僕の恩師が書いたものです」
彼はキッドに跪いた。
「殿下、この先、その記録書が必ず役に立ちます。嘘だとお思いなら、ページを開いてご覧なさい。そうすれば、貴女は理解するはずだと、あの人は言ってました」
キッドがノートの中に入った手紙を見つけた。
「貴女に届けるように言われました。そして、僕は……貴女に面倒を見てもらえと」
キッドが手紙を開き……険しい表情を浮かべた。そこには、脅迫文が書かれていたのだ。
「殿下、お願いがございます。どうか僕を匿ってください。もう時期、妹は呪われます。しかし、どうやってもその運命を変えることは出来ないのです。このままでは、僕も妹も死んでしまいます」
「……」
「お願いします。殿下、どうか、妹を助けるために、僕を貴女の手下にしてください。何でもします。僕の恩師の最後の言いつけなのです。お願いします。……クレア姫様」
クレアが中毒者を睨んだ。
「僕と妹を助けてください」
レッド・ピープルが、涙を浮かべながら懇願した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます