第28話 クスリ
『刑事さん、はよ、
支えていた手を離し、社から離れるシュレン。
『よう見たら、お稲荷さんの駐車場で暴れてた子ぉの、お友達やんか。
お友達
「(人体実験!? )」
「……クスリで暴走してるふりをする必要もないということか」
肩で息をしながらシュレンに話す男。
『あんたか。うちを犯人にしようとしたんわ』
「お前がどんな存在でも、つぶす」
常人離れしたスピードでシュレンに殴りかかる男。
拳が、足がシュレンに当たる寸前でどこかへと力が飛ばされる。
祇園の篤志家を相手にしたときとは違う動きにキツネは困惑する。
『(キツネ、悪いけど説明はあとや)』
「(わかった)」
『悪いけど、あんたらがどんな攻撃をしかけてきても、うちには効かへんえ』
シュレンを襲う男以外の3人は、その場に崩れ落ちる。
「な!? 」
異変に気づく男。だが、時既に遅し。
男もその場で崩れ落ちる。
『筒術・
喋ることもママならんやろう?』
どんなに力を入れても体が動かない。暴れていた4人とも、何が起こっているのか理解ができない。
『加減が難しいんやけどなぁ。薬で脳の特定の場所に刺激受けて超人みたいになった気でおるかも知れんけど、そこの部分の伝達の一部を、ウチの力でブロックさせてもろうた』
体の自由は利かないが、殺気の籠もった目でシュレンを睨む4人。
『怖い顔してからに。あんたらはあの橘いう子を人体実験したつもりでおるかも知れんけど。今あんたらが薬で刺激を与えてる部分。このままあと10分も放置したら……もっと力が強くなる反面、脳が焼き切れる』
倒れ、睨む4人の視界に入るよう、しゃがみこんで話すシュレン。
『さて。
「今の話は、本当なの? 」
柱の陰から姿を表す社。
『この間のお稲荷さんとこの駐車場の騒ぎ。あれは……橘いう子で薬の効能を試して、成功したら自分ら4人も薬を接種して、集まった警官から拳銃を奪う、そういう計画やったみたいやで』
「な、なんでそんなことがあなたにわかるの!? 」
『この子らのスマホ……あ、まぁええわ』
言いよどむシュレン。
『調べたらわかることや、刑事さん。
「せ、専門家? 」
『ハァ……面倒くさ。お姉さんとこの署長でも、科研のエラい人でもええから、みやこ医科大学の
「な、なんであなたがそんなこ」
『ウチの力を
「わ、わかった、わかったから!! 」
スマホを取り出し、どこかへ連絡をする社。
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