@TwenTy-Three
「すぐそこまできました。車から降りるところを目撃されないよう余分に手前で止めましたけど、もっと行きますか?」
「ううん。この辺でいいと思う。先に私たちが行きますか?」
受けて答えたのは、シートベルトを外しながらの
「いや、私たちが先に行こう。二人が車を離れる時間は短い方がいいだろうし、そちらが接触している間は在店しておきたい」
「わかりました。場所わかりますか?この道沿いですけど」
「外見は資料で把握しているよ。店を出たら怪しまれないように逆方向に歩いて行くから、先に退店して車に戻っておいてくれると助かる」
「わかりました」
応答したのは朝霧だ。昼々蕗も隣で無言のまま首肯した。
「では行ってくる。さぁ行こう、
「ああ。プランは歩きながら確認でいいかな」
「もちろん」
通行していく車がないことを確認して二人は車を降り、車内に残った二人と頷きあってから車を離れて歩き出す。
「杜乃がこんな風に外歩くの、どれくらいぶりだい?」
「反射的に考えても一ヶ月以上は経っているな。久しぶりのシャバってやつかな」
「別に刑務所にいるわけじゃないじゃない。出入りだってある程度は自由な鬼好きに引きこもっているのは杜乃だろ」
「必要性がないからね。さ、プランを確認する、とはいえ、普通に高校生二人組が放課後に立ち寄ったということでいいと思うが」
あっけらかんと言い放つ杜乃。
「お互い
ここは中野区で、後者からはだいぶ離れている。私立であるため学区は関係ないことは承知した上での違和感だった。
「この辺りにだって酉乃刻の生徒は住んでいるさ。そこは気にしなくていい。というか、それを変に意識するとぎこちなくなる。あくまで自然で行こう」
「了解。って、作為的な自然こそ一番難しいんだけどな」
蓮宮は、少し何かを考えあぐねているとでもいうように後ろ頭をかいた。
「まあ、あまりこういうことはしないものだしね」
「そりゃあ、まぁ」
「さぁあそこだ。行こうか」
「インタビューとかしたほうがいいのか?」
「いや、どちらかといえば販売しているアイテムを数店見繕ってほしい。話は後から来る二人がする手筈だ」
「了解。どんなのがいいかは、入ってからだな」
「その通り」
そんな会話をしているうちに二人の足取りは目的の中村の経営するショップ前に辿り着いた。
「よし、入るよ?」
「うむ」
蓮宮が率先して、第一容疑者である中村の陣地の入り口の引き戸に手をかけた。
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