第68話 ギンの心情
俺にとっては懐かしい街への入り口にある大きな石でできたゲートを通り抜けて久しぶりに帰ってきた。
エイジア
俺の住んでいる町の名前だ。生まれてからずっと住んでいる。そんな街を俺が離れたのは俺がリヴァ討伐に出かけたからだ。そして討伐からだいぶ時間が経った。行きは1人で出かけたがいざ帰ってみるとピーチェ、レイ、アイリスという3人の仲間ができていた。それは出かける前には仲間ができるなんて予想していたものではない。出会いというのは運命というものだ、なんて言う人はいるだろう。しかし、俺は運命というものは信じない。ここでこの3人と出会えたことが運命の出会いだということは信じていない。だから、運命を司るという神なんてなおさら信じていない。だって、神がいたら父さんは失踪しても俺が願ったら戻ってくるはずだぜ。でも、戻ってこない。俺はそれ以来信じるということを捨てた。子供心であったが子供心というのは恐ろしいものなのだ。
でも、捨てたと言うが3人と出会えたことはうれしく思う。3人は魔術師になると言っている。俺みたいになりたいそうだ。俺なんかを見習っちゃダメなんだけれどな。でも、そう言ってくれたことは感謝している。俺はずっと父さんを探すためだけに魔術師をやっていた。それ以外のことは第二だ。どうでもいい。討伐はストレス発散だとすら思っていた。でも、今はその考えが変わってきた。これもみんなのおかげなのかな。
ただ、このことは3人には言えないな。
だから、だから今俺が望んでいるものと言えば、
父さんを探す
ではなく
ピーチェ、レイ、アイリスの3人と共に魔術師として働きたい
というものに変わり始めていた。
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