第63話 ギンVSツウサン④
俺の刀がオーワンを両断しようとした──その時、ツウサンは俺の背後から叫んだ。
「プロテクトモード!」
プロテクトモードは先ほど発動したものだ。だが、俺はプロテクトモードの正体はまだ理解していない。先ほどはあれのせいで俺の魔法が効かなかった。つまりは魔法無効化の何かであると考えておくべきか。ならば、俺の刀による攻撃ならば問題はない。、魔法さえ使わなければと思い俺は攻撃を中断しない。
「はあああああ」
カキン
「っ!」
俺の刀による攻撃は甲高い謎の音によって止められた。何が起きたのか理解するまでには少しの施行時間が必要であった。
「これは防御壁か」
「ご名答ですよ。くくいいですね。あなたの無駄な努力は素晴らしいですよ」
これでプロテクトモードを理解した。ようはオーワンは透明な防御壁を発生させているのだ。先ほどの甲高いカキンという音は俺の刀と防御壁がぶつかった音に違いない。最初の炎色の風も当たる前に防御壁に当たって爆発したということか。あのプロテクトモードは相当厄介なものだ。何とかしなければいけない。何か対策を立てなければ。
「くそう。何かいい手は」
俺は口にだし何かいい作戦を考える。何か思い浮かぶはずだ。考えろ、考えるんだ。……しかし考えても策は浮かばない。俺には作戦を立てる才はないのか。
「もう、やけくそだあああ」
俺は考えることをやめて次に行う行動を特攻に移す。
「愚かな。その程度の特攻で俺のオーワンをどうにかできると思ったのか。ならばそれが無駄だということを見せつけてやる。行け、オーワン。アタックモード」
「っ!」
アタックモードというと攻撃形態のはずだ。俺は特攻しているとはいえ実言うとまだ作戦を立てようと必死に考えていた。何かいい策はないのか。
一方、俺が特攻している最中にアタックモードとなったオーワンは俺に対してこれまた特攻同然の速さで近づいてくる。さっきは動きが読めて避けたが今度はうまくいくことはないだろう。それぐらいオーワンのスピードは速かったのだ。
「ガガガ」
オーワンの巨大な手が俺に襲い掛かる。
先ほどは避けられた俺だが今度はスピードが桁違いで避けることができなかった──いや、当たる直前に魔法を発動した。
「暴風矢」
暴風矢
風属性 技ランク3
能力 暴風のように荒れた風を纏った矢を放つ
暴風矢という魔法を発動する。俺は手に矢を持ちそのままオーワンの手に向けて放った。あいつにはプロテクトモードがあるから無意味かもしれないが攻撃さえ防げればと思い放ったのだ。
「グガガッガー」
ドッガーン
「?」
しかし、俺の予想とは違いオーワンはダメージを受けないどころか手が爆発して壊れた。ドッガーンという爆発音は手が壊れた音だ。
これはどういうことなのか。あいつにはプロテクトモードという守りがあるはずなのに……そうか、そういうことか。俺はオーワンを倒す作戦が思い浮かんだのだった。
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