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#33 会敵予想時刻
会敵予想時刻、0455
コックピットの暗闇の中では、その緑色の数字だけが点灯している。
《ガンベット小隊！ 集まっているなッ？》
《ガンベット02、隊位置（スタンバイ）》
《ガンベット03、隊位置（スタンバイ）》
《ガンベット04、隊位置（スタンバイ）》
《ガンベット05、隊位置（スタンバイ）》
《ガンベット06、隊位置（スタンバイ）》
《ガンベット07、隊位置（スタンバイ）》
《いい応えだ。我が母艦テストレスは旗艦カー・ライラムと共に現在速度30で機中海を南下中。このまま行けば敵小隊との会敵予想時刻はこれより50分後。時刻0455で変更なしだ。各自、準備はいいか？》
《ガンベット02~07全て、戦闘準備完了》
《優秀じゃないか。我々ガンベット隊の主な任務は攻撃時の先鋒及び防御の盾だ。旗艦カー・ライラムと母艦テストレスの護衛。くれぐれも敵機の撃墜には目もくれてくれるなよ》
《ガンベット02‐07、了解》
《……お、おいおい、もうちょっと愛想よくしてくんねぇかな。おれたちガンベット小隊は愛嬌だけが取り柄なんだからさ》
《ウチは前からこんなものですよ。ガンベットリーダー》
《ガンベット02。最近この小隊（チーム）の口数が減ってきたのはお前の所為じゃないかと思うんだが、それはオレの気の所為だと思うか？》
《気の所為ですね。黙っててください》
《ガンベットリーダより各機、これより採決を行う。我が隊のリーダーに相応しいのはガンベット01と02のどちらだと思うか？》
《下らないこと言ってないでとっとと指示くださいよ。リーダー》
《お、お前ら、おれはお前らのリーダーだぞっ？》
《だから、とッとと指示を出せ、つってんだろッ！ このバカリーダー！！》
共通回線のハーモニーを受けてガンベット小隊のリーダー、ガンベット01は沈黙する。
《……分かった。母艦テストレス及び我がガンベット小隊はこれより、当初の作戦通り本隊旗艦ガンサイド艦隊とは別行動の作戦内容に入る。各機そのつもりで同速のまま現状を維持。作戦開始時間は敵斥候小隊とぶつかる前の45分後》
《本当に旗艦には知らせなくていいですか？》
《艦長が必要ないと判断した。これは我々テストレス隊の独断で行う》
《独断で行うとは言っても、これは紛れもなく攻撃行動です。承伏しかねます》
《艦長命令だ。旗艦には報告しない》
《……りょ、了解》
小隊暗号通信による会話の中で沈黙が降りる。
《各機、思うところはあるだろうが命令には従ってもらう。これは任務だ》
《ガンベット02‐07、任務了解》
行動開始の時刻が迫る。
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