機中海《第三番管区》
#29 ブリーフィング
「
暗がりの中で教鞭をとりながら、作戦指揮官が、今回の作戦内容を
「……戦闘内容も例年通りだ。相手側の対艦戦力とこちらの対艦戦力の純粋なぶつかり合い。
旗艦は両艦隊ともに一隻のみ。この旗艦を先に落とした側が勝者だ。駆逐艦、巡航艦、空母艦の数ともに、同じだけ登録申請されて中立役のガンハーバーによって許可され両艦隊の戦力差は均等に監理されている。第三番管区の海域の地形データ及び気象データにも変更はない。変更があるのは、向こうの作戦の出方だけだ。もちろん、それは
作戦卓を叩いて、作戦会議室に集まった椅子に座り並ぶ乗組員たちに聞く。
「「「「いいえ!」」」」」
一斉に放たれた
「その通りだ。我々ガンサイド艦隊は勝利には固執しない! 我々は勝利する事よりもこの戦闘に参加する全艦隊乗組員の無事帰還だけを重要視する! 我々は前回のヤツラの作戦行動を、今回の作戦行動の参考にはしない。こちら側の行動だけで、主導権を奪ってみせるぞ! できるかッ?」
「「「「はいっ!」」」」
「……よろしい。本作戦の、主な作戦方針は以上だ……。さらに本日、我々ガンサイド艦隊の旗艦カー・ライラムより再度入電があった。艦隊旗艦艦長フルブライト・ロア将佐から下った指令は、艦隊陣形を現在の魚鱗型で保ったまま直進し、敵艦隊旗艦アウレーラと差し違えることッ。
我々ガンサイド艦隊の末端! 空母艦テストレスもこれに続く!
最後の一声で、思ってもみない手が挙がった。
「……ッ?……、キミは確か……今回、新規参加したサイヲ・フッテイルくん?」
仮住まいの上官に一礼して、サイヲが背を伸ばして起立すると……、皆が注目する前で、気になっていた
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