#27 艦橋スタッフ
「傭兵枠での新規登録者、依然として
巡洋空母艦テストレスの艦橋棟の最上階にある第二指令艦橋の中では、若い女子オペレーターの声でそんな知らせがあった。
「機体の中で何やってんだ?」
四方をガラス窓で日の明かりを取る
「自主整備願の申請が来たので許可は出しましたが」
「それは構わんが、かれこれ三時間は経つだろう。あんな狭い機体の中で三時間もなにをやる必要がある?」
「整備長に尋問させてみますか?」
「……傭兵とイチャモンを起こして士気を下げるような事はしたくないぞ。機体観測!」
「対象機体の起動、及び活動は認められません。電磁波、熱反応ともに異常なし」
「
子供だと思って放ってお置いたら、何をしてるのかよくわからん気味の悪いガキだな」
「これから予定されている事よりも、入ってきた新米傭兵の事が気になりますか?」
副艦長とこの艦で唯一の機動小隊、ガンベット隊の隊長が艦橋室に入ってきた。
「これからの事なんて、艦隊の末端艦である俺達には全然関係がないことだ。どうせ
喚き散らす艦長に、副艦長も機動隊長も苦笑いを浮かべる。
「ったく、いつかは来ると思っていたが、いざ来てみると不安なモンだ。
〝はいはい。なんですか?
「ボケナスじゃないっ。
とぼけた無線の向こうの声に怒鳴る艦の長に、無線の声の主は軽口をやめない。
〝はいはい、
「傭兵のガキが何か悪さをしないようにちゃんと見張ってろよ! すこしでも何か可怪しなマネをしたらすぐに知らせるようにな!」
〝こっちは整備する機体が増えて、それどころじゃないんですがね?〟
ポリポリと頭を掻く音が聞こえてきそうなほどの厳つい
「整備長のオマエにはいつも感謝している。だがそれとこれとは話が別だ。いいか?ちゃんと見張ってろよ?」
〝……それはいいんですがね。この会話、艦内放送で筒抜けですよ?〟
ぷ、と噴き出す声がどこからか漏れた。顔が真っ赤になった艦長の目がギロリと睨む
「艦隊旗艦より入伝! 我が艦隊は定刻通り0500時に予定
通信士の声に緊張が走る。その声を聞きながら、この巡洋空母の艦長はどこかを睨んだ。
「……あの傭兵の子供……。もしかしたら機械に操られてるのかもしれないからな……」
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