清水先生とユウラク

「くそっ。佐藤さんを返しなさい」

「返す? あなたにあのメスの所有権が存在するとでも」

清水先生は謎の生物に斬りかかろうとするがユウラクはそれを防ぐ。

ユウラクは常人離れした体力で全てを防いでしまう。

「もう時計の針は動きを止めない。あなた如きの力で理に逆らおうとは無茶にもほどがある」

「無茶は承知。そのケダモノを私に渡しなさい」

「渡せるものか。私はただの小間使い。頼まれた仕事をこなすことこそが私の人情なもので」

「戯言を」

清水先生がいくら攻撃をやめずともユウラクはなんの疲労も覚えずにかわし続ける。

次第に清水先生は攻撃は繊細を欠いて、遂に動きを止めてしまった。

ユウラクは倒れこむ清水先生を見て、嘲笑する。

「この程度なんですよ。どこまでいってもただの人間に永遠などありえない。

私たちはみな選ばれなければならない。選ばれないならば自決しなければならない。

世界はもっと単純に生きることが可能だ。

あなたみたいに複雑に物事を進行させずとも世界は簡単に進む。

だからあなたは死ぬべきだ。

自決するべきだ」

ユウラクの言葉に清水先生は唇を噛む。疲労困憊でなにも言い返せないのだ。

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