第5話 魔法少女になる

 椎名純は酷く戸惑いながらも、現実を受け入れ、喋るメスの黒猫、メリル(本当はメリールーというらしい)を部屋入れ話を聞いていた。

「突然の話でごめんなさい、でもちゃんと聞いて、純くんには魔法少女になってもらいたいの」

「……はぁ?」

「だから魔法少女」

「俺、男だけど」

「うん、でも大丈夫、魔法少女っていうのは、少女たちの純粋な夢の力なの、まだ若く、心の清い純くんは魔法少女になれる資格がある」

 俺の心が清いだって?

「うーん……まだちょっと意味がわからないけど、それで、魔法少女になってどうすればいいの」

「ヤクザさん達を救って!」

「?????????」

 何いってんだこの化け猫。この段になっていよいよこれは夢か幻覚かわからなくなってきた。

 男の俺が魔法少女になってヤクザを救う? こんなふざけた話はない。

「もう一度よく聞いて、今、多くのヤクザさん達がいいえ他にも大勢の人たちがなにか悪いもので人間の魂を失ってる。このまま彼らが死んでしまえばその魂は無に帰してしまう。その魂たちを救済、天国に送ってあげられるには魔法の力だけなのよ」

「ふーん……」

「純くん、この家にホウキはある?」

「そりゃああると思うけど、なんで?」

「ホウキに乗って現場まで飛んでいくのよ、早くしないと事態は悪くなる一方だわ」

「魔法少女がホウキで空を飛ぶなんてベタベタだなぁ」

「だから、魔法少女は少女たちの夢の力なのよ」

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