第3話 ゾンビ襲撃
山下組内部では恐ろしい惨劇が繰り広げられていた。
タケとヤスはぶらんと力なくその腕を垂らし濁った目つきで身体も口周りも血だらけにしフラフラと歩いている。
どうやらあの新型ドラッグ、イノセントシンドロームは、血液中に残るわずかな成分でも相手を”感染”させてしまうようだ。
隆二は目の前の光景が信じられなかった。幹部会の食事の席は一瞬の騒乱で血の海に染まった。そして起き上がる死者たち、そう、あれはまるで死者、人の目をしていない生きる屍、ゾンビ、残った若人が家具でバリケードを作り今は事なきを得ている。だがゾンビたちはもう力の加減を知らない、このバリケードもいつまで持つだろうか。
隆二は震える腕をもう一方の腕で押さえつけ、チャカを確認した。だが、もしかしたら症状が収まる可能性もある、それなのに幹部連中を撃ってしまったら組が終わってしまう。
隆二は揺れるバリケードとチャカを交互に何度も見比べた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます