第10話 あとがき!

 ウランちゃんは死んだ。

 だが、彼女の死は無駄では無いのだ。 

 皆の心のなかに、ウランちゃんは生きているのだから……







…………

 そんなあとがきという名の短い終章を読んで、ふっと笑い、私は一気に覚めた。

「くだらない」

「…………」

 そんな時、微かに何かが聞こえた。

 この、少女の姿をした機械から。

 彼女の瞳から、涙が一筋こぼれ、彼女の思考を司っていると思われる部分に繋がれたコピー機から出力された彼女の言葉たちであろう紙を濡らした。

 私は慌ててティッシュに手を伸ばす。慌てて押さえるがもうページの一部分がインクが滲んでしまい、元に戻りそうもない。

 しまった。

 発掘された謎の少女の解析を任された私は焦った。

 だが彼女の眠る顔を見てその感情をすぐに捨てた。

 彼女の溢れ出る妄想を読んできた私は、彼女を知ってしまった。

 少女の総てを暴き出そうだなんて、不埒なことだ。

 そう思って自分の娘でもおかしくないような年齢の彼女の髪を撫でる。

 そうしたら、もしかすると目を開くかも、なんて想像は叶わなかった。


fin




……等という意味不明な文章をネットで見つけ、飽きた俺はブラウザを閉じ、こんなことよりもアルバイトのために寝なくてはと思い、今日の晩飯のカップラーメンは醤油にするか塩にするか考えた。


 本当に完。

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あとむ☆ぼむっ! しいな らん @satori_arai

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