第2話 あいよく!
私もアイドルになってみたい。そう思った。
そう思ったのはいいのだが、なんせこんな身の上。どうやってなったらいいのかわからない。
そこでウランちゃんは、首相に相談してみることにした。
「首相さん首相さん、あのね、ボク……テレビでアイドルを見て、あのね……ボクもアイドルになってみたいなって……」
ずっきゅーん!
首相はすこし白目を向きながら拳を握りしめ、腕をぶるぶる震わせた。
なんせ一国を担う身、はっきゅんどっきゅん君に胸キュンで大事を決めるわけにはいかない。
「あがががががが」
彼は今、戦っているのだ。己自身と。
そして理性が勝った。
刹那的情欲に。
「それは私の一存で決める事はできない。だが、君の意見を尊重したい。方々に相談をしてみよう」
「わーい! 大好き首相さん!」
返す刀で一太刀。
ギュッとされたところに首相は無機質なはずの彼女の身体から、確かに温かさを感じ取った。
そして目は血走り、気持ちの悪い音をたてて千本の腕が生えた。
そのすべての腕を駆使し、思いつく全てにTEL。
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