第13話 初めてのダンジョン。

「ココ、どこだ?」

「えーなにこれー。先生はー?」

「洞窟…ですかね?」

「何で洞窟なんかにいるんだよ」


ダンジョンに飛ばされた組合員達は、状況が掴めず、右往左往する。

いつの間にか、先程まで着ていた服ではなく、防具から剣や杖など身に着けた冒険者仕様になっている。


「…よくわかんないけど、とりあえず前に進むしかないんじゃね?」

「そうだなあ」

「えーめんどくさいー」

「でも、進まないとここから帰れない気がするんだよなあ」

「えーそれは困るー」


そんな会話をしながら、一同はぞろぞろとダンジョン内を進んでいった。しばらく何事もなく順調に進んでいたが、世の中そんなに甘くない。

一つ角を曲がったところで、魔物に襲われた。

間一髪で飛び退き、致命傷は避けられたが、戦闘は避けられない。

魔物のレベルは1。

こんな雑魚キャラ余裕、と誰もが思った。


しかし。


最強の剣で斬りつけたのに、ちゃんと攻撃も当たったのに、魔物は倒れるどころか更に攻撃を仕掛けてくる。

何人かが攻撃をくらって倒れかける。


「痛いー!」

「なんだよ、あいつレベル1じゃねーのかよ!!」


全員に焦りが見え、死にものぐるいで攻撃を仕掛けていく。

何度も何度も攻撃を仕掛け、やっとのことで魔物を倒した時には、全員息が上がっていた。


「あいつ…レベル1だったよ、な?」

「あたし達ってーレベル1もなかったんだねー…」

「この人数でまさかあんなに手こずるなんてな…」

「とりあえず、アイテム使って体力の回復と、怪我の手当、しようぜ。いつまた魔物に遭遇するかわからない」

「薬の調合、ちゃんと授業聞いとけばよかったなあ」

「もうちょっと真面目に授業受けとけばよかったな…」

「後悔しても始まらないだろう? 今俺達にできる事をやろうぜ」


暗くなる雰囲気を一人の生徒が払拭する。手分けして手当てをしたりアイテム整理をする。

とりあえず前に進もう、と進んだところで再び魔物に遭遇する。


全員の顔に緊張が走る。


意を決して全員で魔物に向かって走り出した。


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