第5話 勇者学園開校!!

よく晴れた日の朝。


勇者組合法人『勇者育成総合学園』の開校式&入学式が、華々しく幕を開けた。


今は危険な仕事自体がほぼないので、危険手当はないが、勇者職は高月給で安定しているので就職希望者は多い。

今年度の新入生は300名。

組合で行われた試験の落第組は28名。


「えー、みなさんこんにちは。学園長のエイブラム・ターナーです。昨今、魔物による被害が増えつつあり、魔物のレベルも上がっているとの情報が上がってきています。勇者の需要も増える一方で、勇者の身の安全を考慮すべく、ある程度レベルを得た者だけ、組合に所属できるシステムになりました。以前のように独自で冒険に出てレベルを上げる術もありますが、基礎の基礎から本格的に学ぶことで魔法が使えない人でも使えるようになるのが目標です。今日から三年間、しっかり学んで立派な勇者になりましょう! 」

学園長の挨拶の後、講師陣の紹介があり、学科別、クラス別に分けられ、それぞれのクラスへと散って行った。

「あ、組合組は残ってくださいねー。大事な話があります」



「さて。組合のみなさんは、他の生徒さんとは違います。普通は三年間ですが、あなた方は組合が認める基準値に達し次第、卒業となります。一週間後になるか一年後になるか三年が過ぎても卒業できないかは、あなた方次第です。尚、在学期間中は給料が半額になりますが、無事に卒業できた暁には、卒業祝い金と給料1.5倍が約束されていますので、一日も早く卒業できるよう、頑張ってくだだいね。で、あなた方の担当ですが。リリア先生と私エイブラムに決まりました。私は補佐ですが、よろしくお願いしますね。では教室へ移動しましょうか。リリア先生がお待ちです」


こうして、落ちこぼれ組総勢28名はリリアの待つ教室へと足を向けた。


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