神名録3 ダラウゴンとトゥローラ

◎海の神ダラウゴンと山の女神トゥローラ

ダラウゴンは海の神、トゥローラは山の神である。

どちらもトライデンやゲナのように豊穣の神ではない。

エリオスの神々を信仰する人間にとっては恐ろしい災厄の神である。

ダラウゴンの眷属はマーマンやオクトパスマン等の海の種族あり、トゥローラはトロールが眷属である。



◎ダラウゴンについて


ダラウゴンはナルゴルの神々の一柱だが、普段はナルゴルの地に住んでいない神である。むしろ、ナルゴルの神々の半数以上がナルゴルの地に住んでいなかったりする。

大女神ナルゴルと月の神オルギルとの間に生まれ、生まれてすぐ海に落ちたダラウゴンは海の神の力を得た。

彼を養育したのは深海の巨人オアネス達である。

海の魔力に愛された彼はセアードの内海の底に建造された真珠の都ムルミルに住んでいる。ムルミルには、ダラウゴンに従うマーマン達が暮らしている。

ダラウゴンの眷属達は人間等のエリオスの種族に敵対的であり、沿岸に住む人間達を襲っている。

しかし、人間の中にもダラウゴンを信仰している者もいる。

多くはマーマンと人間の間に出来た子孫であり、またはダラウゴンの災厄を逃れたいとする人間達である。

ダラウゴンの姿は太った魚人の姿で描かれる。

妻は人魚の女王メローラであったが、今は別れているので特にいない。

イシュティアの間にトヨティマという女の子が生まれている。

住んでいる場所はセアードの内海の底にある真珠の都ムルミル。




※由来はカナン神話のダゴンとギリシャ神話のグラウコス。

グラウコスって見た目が良くなさそうなのですが、キルケから愛されたりと不思議ですね。




◎ダラウゴン信仰


ダラウゴンは海の神であり、海の中で生きる種族から信仰される。

人間で信仰する者は少ないが、マーマンと人間の子孫や、災厄を逃れたい人間から信仰される。

彼らは秘密の教団を作り、人間社会でひっそりと生きる事が多い。

もちろん都市全員がダラウゴン信者ならば話は別である。

ダラウゴン信徒の人間はマーマンに襲われる事はないので、安全に航海できるので、海上交易では有利である。

もっとも、オーディス信徒やトライデン信徒の人間にばれたら殺されるだろう。

ダラウゴン信徒が支配する都市に迷い込んだ人間はダラウゴンの生贄になるだろう。






◎海の民

海の中で生きる種族である。

セアードの内海の沿岸の人間の都市を襲う事がある。

赤い河のほとりにある人間の国であるハッティが海の民によって滅ぼされたのは有名である。


※世界史で海の民という言葉が出る度にダゴンを信仰する魚人を思い浮かべます(*ノωノ)



以下主な海の民



・マーマン族

海神ダラウゴンの眷属であり、奉仕する種族がマーマンである。

多くはセアードの内海で生活している。

マーマンは男しかおらず、子孫を残すときは他の種族の雌と交尾するしかない。

ちなみに魚っぽいが哺乳類と似た生殖能力を持つ。

よく狙われる種族は人間の雌で、沿岸を襲って女性をさらう事もある。

生まれた子は最初は人間の子と変わりはないが、大きくなるに従って魚のような顔つきになる。

マーマンは元々マーメイドと共にマーロウ、又はメロウと呼ばれる種族であった。

ダラウゴンが人魚の女王メローラと別れた時に男と女で別の種族に別れた。

以後伴侶となる女性がいなくなったマーマンは子孫を残すために人間を襲うようになったのである。

マーマンは他にムルミルの民、又はムルミロやムルミッロと呼ばれる事もある。

マーマンは大鮫に乗り、平たい棍棒に鮫歯を付けた鮫牙剣と亀の甲羅の盾を持ち戦う。



※ムルミロの語源は剣闘士の一種である魚兜闘士。


※鮫牙剣はハワイのレイオマノをイメージしています。



深海の巨人オアネス

深海の巨人と呼ばれる海の民。

天空の巨人タイタス大地の巨人ギガテスと同じ上位巨人グレータージャイアント

姿はマーマンを巨大化したような姿である。

多くは南の外洋で生活していて、高度な文明を持ち、海の底には彼らの海底都市がいくつかある。

神々に匹敵する力を持つ。

穏やかな種族だが、怒ると嵐を起こす事もあり、人間から恐れられている。

海坊主シービショップと呼ばれる事もある。

マーマンと同じく海の民の代表格だが、ダラウゴンを信仰しているわけではない。


※深海の巨人はバビロニアのオアンネスとオケアノスが元ネタ。




蛸人オクトパスマン

人間の体、首から上が蛸になっている種族。

人間の体の部分は蛸の足が変形したものであり、斬っても再生してしまう。

地上でも長時間行動が出来る。

彼らは海の賢神アンモンを信仰する。


※ル〇ンクエストにでるウ〇クタパスという種族に似てます。

オクトパスマン料理もあるかもしれない。


・スキュラ

美しい女性の上半身に獣の頭を持つ下半身を持つ種族。

深海の魔女カリュケラを信仰する。

カリュケラはダラウゴンとトライデンの争いで中立であるので、スキュラもどちらにも組しない。


※スキュラについてはまだ設定が固まっていません。


※他にも海の民はいます。





◎ダラウゴンに従属する者達


・海の賢神アンモン

蛸人オクトパスマン達に崇められる神である。

人間の体にアンモナイトの頭を乗せた姿で描かれる。

破壊神ナルゴルよりも前に生まれ、活動する古代神の数少ない生き残りである。

知識は豊富だが強くなく、ダラウゴンに庇護を求めた。


※古代神

ナルゴルやオルギスやミナと同世代かそれより前の世代の神。

ほとんどが滅んでいる。


・妖霧の王子クランポン

ダラウゴンとメローラの息子。

フグのような球体の体に手足がついた姿をしている。

強くはないが、強力な再生能力に魔法の霧を発生させる能力を持つ。


・海難の恐姫トヨティマ

ダラウゴンとイシュティアの娘。

アンコウのような顔をしている。

たまに沿岸に現れる事もある。

そのあまりにも醜い姿を見た人間は恐怖で死ぬと伝わっている。


※実はトヨティマの名はトヨタマヒメから。


※クランポン以外にも息子はいたりします。



◎ダラウゴンの恩恵


ダラウゴンは従う人間に恩恵を与える事がある。

以下人間に与えられる恩恵。


・ダラウゴンの祝福

船酔いにならなくなる。


・水かき

手足に水かきができて、魚のように泳ぐ事ができる。

人魚の祝福よりも早く泳げる。永続する。

乾燥した所での生活が難しくなる。


・エラ呼吸

エラが生えて水の中でも息が出来るようになる。

トライデンの水中呼吸が一時的な魔法なのに対して永続する。

乾燥した所での生活が難しくなる。


・水上歩行

水の上を歩く事が出来る。


・水中会話

水の中でも話すことが出来る。


・ウンディーネの召喚

水の下位精霊であるウンディーネを召喚して支配できる。


・水弾

水の塊をぶつける魔法。


・水泡散弾

水弾の上位魔法。複数の水弾をぶつける。


・流水操作

水の流れを操る事ができる。


・魚の呼び寄せ

魚を呼び寄せる事ができる。


・マーマン語

マーマンの言葉を理解して話せるようになる。


・大鮫召喚

海の中限定。

大鮫を召喚できる。


・大鮫使役

大鮫に使役し騎乗できる。


・カルキノス騎乗

巨大蟹カルキノスを使役し騎乗できる。


・鱗の体

体に固い鱗が生える。

鎧を着ている時と同じ効果。

固さは恩恵の強さによる。泳ぎの邪魔にならない。

永続する。

乾燥した所での生活が難しくなる。



・魚人化

鱗の体の上位版。

マーマンになる。永続する。

乾燥した所での生活できなくなる。



※上記以外も多くあります。








◎トゥローラについて


トゥローラは山の女神である。

トゥローラの姿は巨大な山の姿で描かれる。

実際に山の姿をしていて、滅多に動かず喋りもしない。

彼女はトロール族の母であり、トロールは彼女を信仰する。

トゥローラはナルゴルの中央のトゥローラ山として存在し、自身の体とその麓にはトロール達が集落を作っている。

夫は2名おり、北風の巨神ボレスィアチと火と鍛冶の神ヴォルガスである。

ボレスィアチとの間に頂きと氷河の女神シュカージと谷と泉の女神ムーミを生み、ヴォルガスのとの間に噴火の神ヴォークを生んだ。


※設定だけ作りましたが……。使う日は来るのでしょうか?






◎トゥローラ信仰


トゥローラを信仰するのはトロールだけであり、他の種族が信仰する事はほぼない。

トロールはトゥローラとその子達のどれかを信仰している。

信仰する子によって性格も生活も分かれる。

シュカージを信仰するトロールとムーミを信仰するトロールは共に生活をすることはない。




◎トロールとは

灰色の岩の体を持ち、成長すると山のように大きくなる人型種族。

長命で、外部的な要因がない限り死ぬことはない。

トロールは成長して大きくなりすぎると重くなり動けなくなり、岩と変わらなくなる。ある意味その状態が死んでいるといえるだろう。

そのため、活動しているトロールは身長0.5~5メートルぐらいである。

また、太陽の光が苦手で太陽の光があるところでは蹲り、岩のように動かなくなる。

動物や植物はもちろん栄養豊富な石や岩や土を食べる事もできるが、生物の方が好きである。

驚異的な再生能力を持ち、暗闇の中でも見る事ができる。

代わりに太陽の下では何も見えない。

信仰する神によって、種類が分かれる。

トロールの数は少なく、ナルゴルにいるのがほとんどである。



以下トロールの種類。


・山トロール

シュカージを信仰するトロール。

山の頂近くに住む。

獰猛であり、出会った動物を喰らう。当然人間も食べる。

シュカージが冬山の神なので、雪が積もらない暖かい山には生息していない。

長い年月を生きた山トロールは霜を常に体に発生させている。

冷気を操る能力がある。

たまに山から下りて来て人間を襲う事もある。


・谷トロール

ムーミを信仰するトロール。

山の麓で生活している。

温厚な性格で、木の実や落ち葉、腐葉土を食べる。

活動中は他のトロールに比べて柔らかい体をしている。

長く生きた谷トロールは体に柔らかい苔をはやしていたりする。

体に清水をため込み、吐き出したりする。

小さな動物に優しく、人間に対しても友好的。

迷子になった人間の子を保護したこともある。

歌や踊りが大好き。

癒し等の生命の魔法が使える。


・洞穴トロール

ヴォークを信仰するトロール。

普段は山の洞穴の中で眠っている。

トロールの中で一番獰猛であり、活動中は常に腹ペコで目に入る生物の全てを食べようとする。

火を操る能力がある。

長い年月を生きた洞穴トロールは溶岩のような体になり、溶岩トロールと呼ばれる事もある。


※トロールは様々なファンタジー作品に出てくるモンスター。

それぞれの作品ごとに違いがあります。

その中で特に設定が深いのはル〇ンクエストかなと思います。

ちなみに谷トロールのイメージはム〇ミンやト〇ロ、アナ〇〇〇女王に出てくるトロールだったりします。



◎トゥローラに従属する者達


・頂きと氷河の女神シュカージ。

白衣の淑女とも呼ばれる。

トゥローラと北風の巨神ボレスィアチとの間に生まれた娘。

山の守護者。

非常に猛々しい性格をしていて、ふだんはトゥローラ山の山頂に住んでいる。

海の神ヨルズとの間に入江の神フィヨルズを生んでいる。

シュカージを信仰するトロールは山の上に住み、獰猛な性格をしている。

シュカージからの恩寵で冷気を操る能力を持ち、出会った他の生物を見境なく食うので、恐れられている。



・谷と泉の女神ムーミ

緑衣の姫とも呼ばれる。

トゥローラとボレスィアチとの間に生まれた娘。

トゥローラ山の麓にあるムーミの谷に住んでいる。

穏やかな性格の娘で、優しさにあふれた神。

彼女を信仰するトロールも穏やかで優しく他種族に対して友好的。



・噴火の巨神ヴォーク

溶岩の王子とも呼ばれる。

父はサイクロプス達の神である火と鍛冶の神ヴォルガス。

ヴォークだけはトゥローラやシュカージ、ムーミと違いトロールだけでなくサイクロプスからも信仰される。

巨大な体に単眼の二つの首を持ち、その口から溶岩を吐くことができる。

粗暴な神であり、暴れすぎたのでトゥローラは自身の体の中にヴォークを封じた。

ヴォークが目覚め、解放された時、その周囲を焼き尽くす。




◎トロールの能力と魔法


トロールはトゥローラより特殊な能力を与えられている。

また、トロールはその子達から何らかの恩寵を受ける時もある。

トゥローラやその子らは人間に恩寵を与えない。


・暗視

暗闇で常時見る事ができる。

代わりに太陽の元では何も見えない。


・ノームの召喚

土の下位精霊ノームを召喚して、使役する。


・再生能力

体を傷つけられてもすぐに治る。


・毒無効

毒無効になる。



・超剛体

ただでさえ岩のように固い体がさらに固くなる。


・鉄の体

鉄のように固くなる。


・大ぐらい

どんなものでも食べる事ができる。


・超剛力

トロールは力持ちだが、さらに力が強くなる。


・鉄拳

拳を鉄のように固くする魔法。鉄製の打撃武器と同じ威力がある。


・鉄腕

肘のあたりまで腕を鉄のように固くする事が出来る。

鉄製の籠手を装備しているのと同じで、剣等を受ける事も出来る。

また、腕力も上がる。


・粉砕

打撃力を高める。

素手か打撃武器を持つ必要がある。


・凍れる息

口から冷たい息を吐く事ができる。

山トロールのみ。


・氷槍

氷槍を放つ事ができる。

山トロールのみ。


・降雪

雪を降らす事が出来る。

山トロールのみ。


・凍結

周囲や対象を凍らせる。

山トロールのみ。


・吹雪

吹雪を出す事ができる魔法。

山トロールのみ。



・氷棺

対象を氷の中に閉じ込める。

山トロールのみ。


・氷壁

氷の壁を前方に作る。

山トロールのみ。


・冷気無効。

あらゆる冷気を無効化する。

山トロールのみ。


・豊穣の土

糞や腐った葉等を栄養分の多い土に変える。

谷トロールのみ。


・空気浄化

汚れた空気を浄化する。

谷トロールのみ。


・癒しの手

オーディスとフェリア信徒が使うのと同じ。

谷トロールのみ。


・解毒

対象の身体の毒を消す。

谷トロールのみ。


・悪疫治療

病気を治す。

谷トロールのみ。


・水浄化

汚い水を浄化する。

谷トロールのみ。


・病気の治癒

病気を治す。

谷トロールのみ。


・平穏

精神を安定させる。

谷トロールのみ。


・大地の浄化

大地の毒素を消して、清浄な大地の状態にする。

谷トロールのみ。


・火弾

火の球を放つ。

洞穴トロールのみ。


・爆裂

爆発により周囲を焼き払い壊す。

洞穴トロールのみ。


・火炎無効。

火の魔法を無効化する。

モデスやクロキの黒炎は無効化できない。

洞穴トロールのみ。


・燃えさかる息

口から炎を吐く事ができる。

洞穴トロールのみ。



※上記以外も多くあります。



※加筆予定です。

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