神名録2 ルーガスとヘルカート

※は作者の補足



◎知識と魔術の神ルーガスと魔女の大母ヘルカート



どちらも知識を司る神である。

ただ、ルーガスは知識全般的なのに対してヘルカートは医学や薬学等に特化している。

また、ルーガスは経験と実験を重視するのに対して、ヘルカートは直感を重視する傾向にある。

ルーガスはナルゴルの宰相であり、魔宰相とも呼ばれ、ヘルカートは魔女の大母、又は沼地の大魔女と呼ばれる。






◎ルーガスについて


ルーガスはこの世界で魔術を生み出した者であり、その事から魔術の神と呼ばれるようになった。

そのルーガスは山羊の角と黒い翼が生えた老人の姿か、翼の生えた山羊の姿で描かれる。

眷属はナルゴルに住むダークサテュロスである。

ダークサテュロスは男性しかおらず、サテュロスより山羊に近く、体毛が黒い種族である。

さらにその中でも強力な個体には翼があり、デイモン族に匹敵する強さを持つ。

ルーガスはダークサテュロスからはもちろん魔術の神として多くの種族から信仰されている。

その中には人間も含まれ、特に魔術師が信仰している。

ルーガスやその配下の悪魔と契約して強力な魔力や魔術の知識を得たいという魔術師は多い。

当然人間社会ではルーガス信仰は禁止であり、見つかれば罰を受けるだろう。

また、彼は紙の発明者でもある。

魔王モデスの教師であり、腹心の部下。

ナルゴルの宰相、叡智の王などと呼ばれる。

弟に酒と音楽の神ファヌンがいる。


※魔術についてはトトナの項を参照してください。


※元ネタはルキフグスとサタナキア。


※トトナの師にあたる神だったりします。


※酒と音楽の神ファヌンはサテュロスの神。本編未登場

実は山羊頭の悪魔の由来はギリシャ神話のパーンやサテュロスが元になったのではないかと思います。


◎ルーガス信仰


ルーガスは知識と魔術を司る神であり、ありとあらゆる種族の魔術師や呪術師に信仰される。

人間の魔術師の中にはルーガスを信仰する団体も隠れて存在する。

ルーガスを信仰する魔術師はナルゴルの悪魔と契約してその力や知識を得る。

その契約の仕方が書かれているのが「大魔導書グラングリモア」である。

この秘密の魔導書を解き明かした者のみが契約できる。

ただし、契約をするには代償が必要であり、それは契約した悪魔ごとに異なる。

美形であれば肉体を要求される事もあるだろう。

ルーガスを信仰する魔術師の多くは、表向きはトトナを信仰して、人間社会に紛れて生活をしている。

中にはルーガスはトトナに従属している神だと嘘を言う者もいる。

ただ、彼らは人間社会に敵対するとは限らない。

多くは自身の魔術の研究に没頭する者がほとんどで必要がなければ悪さをしない。

もちろん必要があれば第3者から見て邪悪な行為に手を染める事も厭わないだろう。



※ルーガスやその配下の悪魔達は人間等の下等な種族に危険な魔術の実験をさせ、その研究成果を得たりします。

実は魔術師協会も設立には陰でルーガスも関わっています。


※実はクロキも勘違いしている所がありますが、ルーガスは必ずしも優しい性格ではなかったりします。

冷徹な策謀家なのがルーガスです。





◎ルーガスに従属する者達

ルーガスには多くの弟子がいる。

その代表する者が以下である。



・妖魔法師ウルバルド

デイモン族。ルーガスの弟子。

4名のデイモンロードの1名。

角が生えた美男子。ランフェルドと違い、剣等の武器を使った戦闘は苦手。

その代わりデイモンロードで一番の魔術師である。


・幻魔将軍ヴァーメッド

ダークサテュロスロード。

黒山羊の頭に黒い翼を持つ、アークデイモン。

とんでもなく好色で、度々ナルゴルを抜け出して人間の女性と乱交祭サバトをするのが趣味。

人間と契約する大半は彼と彼の配下である。ヴァーメッドも人間と契約して知識と魔力を与えたりする。

妖艶の賢者サビーナの実父でもある。



※元ネタはバフォメット


・知識と書物の女神トトナ

エリオスの女神だが、ルーガスの弟子でもある。


※他にも多くいます。


◎悪魔との契約


大魔導書グラングリモアを読み、悪魔と交信して呼び出し、契約を結ぶ。

交渉で代償を渡す代わりに知識や力を得る。

交渉に失敗したら殺される事もあるので要注意である。

方法はブラッドストーン、蝋燭、樟脳を用意して魔法陣を描き、ナルゴルの悪魔達に交信する。

提示した代償が魅力的であれば、呼び声に応えて来てくれるだろう。


※後はトトナの項に書かれている事と同じ。


※悪魔とはデイモン族を含む、ナルゴルに住む上位種族である。

デイモン族やケール族、ダークサテュロスやエンプーサ等が契約の対象である。


◎インプの貸与


悪魔は契約した相手にインプを使い魔として貸渡す事がある。

インプは契約をした魔術師に助言や手助けをしたりする。

また契約違反をしないかどうかの監視役でもある。


※インプ

人型で30センチぐらいの背丈に角と蝙蝠の羽を持つ。

小悪魔と称される存在。

設定は後日。


◎ルーガスから受けられる恩恵

基本的にルーガス自身は直接的な助けをしない。

知識を授けたりするのがほとんど。

 

※トトナの項と同じ魔法が多いです。



・悪魔の恩恵

契約した悪魔から手助けをしてもらえる。


・魔法消去

対象の魔法を消す。


・魔術の技法

魔術の成功度を高める。


・魔力増強

契約した悪魔から魔力を分けてもらえる。


・澄み渡る思考

雑念をなくし思考力を上げる魔法。

知力ボーナス。


・白痴

対象の思考力を奪う。


・記憶消去

対象の記憶を消す。


・記憶力強化

一定時間。記憶力を強化する。


・記憶吸収

対象の記憶を盗み取る。

その者は盗み取られた箇所は忘れる。

全て取られると白痴化。


・複写

本に書かれている文字を複写する魔法。

この魔法を使うには白い何も書かれていない紙等が必要である。


・会話

言葉を持つ者となら誰とでも会話ができる。


・魔法の手

魔力で作った透明な魔法の手を作る。

距離と手の本数は術者の技量による。


・魔法威力増大

使う魔法の威力を高める。


・解読

書かれている習得していない他言語の文字を読み取る。

読むだけで書けるようになるわけではない。


・魔法分析

どのような魔法が使われているかを解析する。


※他にもあります。


※今後加筆予定だったりします。



◎ヘルカートについて


ヘルカートは三つ首の蛙の頭部を持つ女神であり、世界中の様々な魔女の大半から信仰され、魔女の大母と呼ばれる。

魔王モデスの養母であり、モデスを溺愛している。

眷属は蛙人で、ナルゴル東部の大沼地に住んでいる。

沼地に住んでいるところから沼地の大魔女とも呼ばれる。

多くの女神の子育てや出産に関わった事から出産と子宝を司る女神でもある。

また、薬学に精通して様々な薬を作る事もできることから、信仰するのは魔女だけでなく、薬師や産婆も信仰する。

豊穣の女神でもあるが、怒らせると不作の呪いをかけたりもする。

女神ファナケアの師にあたる女神で、ファナケアよりも優れた癒しの技術を持つ。

ただし、癒しとは反対の毒や呪い病の力にもすぐれている。

そもそも毒と薬は表裏一体であり、蛇の女王ディアドナと同じように毒を司る女神でもあるのがヘルカートなのである。



※元ネタはギリシャ神話の女神ヘカーテとエジプト神話の女神ヘケト。






◎ヘルカートの信仰、または魔女宗。


ヘルカートを信仰する種族は様々で蛙人だけにかぎられない。

当然人間の中にも信仰するものがいる。

モデスがまだエリオスの神だった頃、人間に医学薬学等を教えた。

その人間達は女性がほとんどでヘルカートはそんな彼女達に信仰された。

信仰したのは産婆や薬師が多く、ヘルカートが与えた知識で多くの人々を助けた。

ただ、モデスがエリオスを去った時にヘルカートも後に続き、モデスが去った後エリオスの神々はヘルカートの信仰を禁止した。

ヘルカートやエリオスの神々以外の神を信仰する者は魔女と呼ばれ迫害される事になったのである。

ヘルカートを信仰する者は魔女と呼ばれ、その信仰は魔女宗ウィッカと呼ばれるようになる。

それでも、信仰を捨てなかった彼女達は秘密の教団カヴンを作り、人々から隠れ住み、ひっそりと信仰を守って生きている。例外として隠れて魔術師協会に所属する者もいる。

当然悪魔と契約する魔女もいる。

ファナケアの信徒よりも癒しの力に優れた彼女達の助けを得ようと密かに助力を頼む者もいる。

しかし、全ての魔女が善良ではない。

薬は用法を守らねば毒となり、強力な癒しの力は使い方を変えれば疫病を流行らせる事もできる。

その力を使い悪さをする魔女もいる。

また、普段は善良だが、無礼な相手にはその力で報いを与える者もいる。

善にもなり、悪にもなる、それが魔女である。



※非常に口が悪く、性格が悪そうに見えますが、本当は情に厚い性格をしています。

頼まれると代償なしで助けたりしてくれます。

多くの女性を弟子に取り、弟子が危険になったら助けたりもします。

もっとも、モデスの敵には容赦はしません。



◎使い魔


使い魔とは自身よりも下等な生物を下僕に変える魔法である。

天使が人間を使徒にするのと同じように、人間よりも魔力や知力に劣る犬や猫を使い魔にする事が出来る。

ヘルカートを信仰する魔女は隠れ住んでいる事が多く、自身は動かず使い魔を外に派遣して情報を得る者が多い。

使い魔は猫や蛙や烏が一般的である。

デイモン等と契約している者はインプを使役したりもする。




◎空飛ぶ魔法の箒

ヘルカートの作る薬には空飛ぶ軟膏があり、その信者は魔法の箒を作成する事ができる。

材料はエニシダが多い。

軟膏を箒に滲ませる事で空飛ぶ箒を作成できる。

箒にまたがり、「偉大なる魔王の名において岩と茨を超えていけ」と唱える事で空を飛ぶ。



◎魔法薬又は薬作成

ヘルカート信徒はファナケア信徒と同じように魔法薬を作る事が出来る。

ファナケア信徒とは違い毒を作る事も禁止されない。

イシュティア信徒と同じように媚薬等も作ったりできる。

多くの魔女は魔法の大釜で薬を作る。

また、魔法薬ではないがハーブ等を使い普通の薬を作る事も出来る。

薬には毒薬も含まれる。




以下主な魔法薬


・蝦蟇の油

ガマガエルの油を抽出して作られる薬。

止血作用、または切傷に良く効き、切断した腕を繋げる事もできる。

また、塗った箇所を切ってもすぐに治るので無傷ですむ。

効果は1週間程、体を洗って落としたら効果がなくなる。


・媚薬、惚れ薬

意中の相手を我が物にするための薬。

人間社会では一般的に禁止される。



※他にもあります。


※この世界のアイテムの設定資料集も作りたい。

でも時間がない……。



◎ヘルカートに従属する者

ヘルカートには多くの弟子がいる。

ほとんどが女性であり、今は離れているがエリオスの医と薬草の女神ファナケアも彼女の弟子であった。

その弟子の多くがヘルカートに従属している。


・エンプーサの女帝エンシェマ

エンプーサは青銅の足を持つカマキリと人間の女性を掛け合わせたような種族である。

女性しかいない種族であり、子どもを作る時は他の種族の男から子種をもらう。

ただし、欲情を抱いた男性を食べたいという欲求があり、エンプーサに愛される事は同時に食料になる事と一緒である。

エンプーサは強力な種族であり、多くの男性から怖れられている。

そんなエンプーサを従える女神がエンシェマであり、ヘルカートの腹心の配下である。

彼女は魔王の住む宮殿の侍女長をしており、魔王に仕える女官は彼女の部下がほとんどである。


・ゴブリンの女王ダティエ

ダティエは魔王宮の南西にあるゴブリンの王国の女王である。

男性社会であるゴブリン社会において珍しい女性の王である。

ゴブリンとは思えない程の強力な魔力を持ち、デイモン族に匹敵する程である。

とんでもなく太っていて、ゴブリンとは思えないほど大きい体をしている。

美男子が好きで、美しい人間の男を攫って侍らせている。


※他にもいます。




◎魔女が使う主な魔法



・箒乗り。

空飛ぶ箒に乗って空を飛ぶ。


・魔法の箒作成。

空飛ぶ箒を作成する。


・癒しの手

傷ついた相手の傷を癒す魔法。自分にも使える。ただし、対象に接触していなければならない。

回復量に合わせて小治癒や大治癒と呼ばれる。


・魅了

イシュティアの項

・癒しの波動

癒しの手と同じ効果だが、対象に接触しなくても良い。


・治癒力向上

対象の回復力を向上させる。癒しの手と併用する事で、より高い効果がでる


・癒力超向上

治癒力向上の上位版


・病気耐性

病気に対する耐性。


・衰弱

対象の体力や筋力を弱める。

対象は病気にかかりやすくなる。


・悪疫治療

病気を治します。接触魔法。


・悪疫蔓延

様々な疫病を流行らせる。邪悪な魔法。


・麻痺

相手を痺れさせて動けなくする。



・再生

腕や足や目等の失われた体の一部を再生します。

ただし、失ってから長い時間が経過すると再生できない。

接触魔法。


・懐妊

この魔法をかけられた女性は一週間以内に性交すると子供ができやすくなる。



・蘇生

死んだ者を蘇生させます。

ただし、死んでからあまりにも時間が経過するとこの魔法では再生できなかったりします。

接触魔法。


・精神安定

精神を安らかにします。

接触魔法。


・解呪

呪いを解きます。

接触魔法。


・鬼面瘡

体にもう一つ顔を作り、喋らせる事ができる。

失敗すると鬼面瘡は言う事を聞かなくなる。


・鬼面瘡の呪い

対象の体に鬼面瘡を作る。

鬼面瘡は宿主の体を乗っ取ろうとする。


・呪い耐性

呪いに対する耐性を持ちます。


・不運の呪い

対象の運を下げる。


・呪殺

相手を呪い殺す。


・変身

何か違う生物に変身する。


・蛙の呪い

対象を蛙に変える。無垢なる乙女の接吻で呪いを解く事ができる。


・蛙の歌。

雨を降らせる事ができる。


・豊穣

大地の力を活性化させて、豊作にする。


・不作の呪い

大地の力を衰弱させて、不作にする。


・睡眠

自身を、または対象を眠らせる。


・眠りの呪い

魔法の紡錘を刺す事で対象を100年眠らせる。眠らされた相手はその間年を取らない。

自身の運命の恋人の接吻で呪いを解く事ができる。


・毒感知

毒を感知する。


・解毒

毒に侵された者を治療します。

接触魔法。


・毒耐性

毒に対する耐性を持ちます。


・毒の霧

毒の霧を発生させる。


・毒血

自身の血を毒に変える事ができる。自身には効かない。



・幻影

様々な幻影を作り出す事ができる。


・水浄化

汚れた水を綺麗にします。


・水汚染

水を汚くします。



・消毒

周囲を消毒します。接触魔法







※上記以外もあります。



※今後加筆予定だったりします。



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