決着!プププ怪人パスガスとの死闘

 俺は渋谷の街中を走る。賑わいを取り戻した道中を進むのはなかなか困難であった。しかし、ヤツが本気を出せば街は静寂に包まれるだろう。俺は人混みの中を必死にかき分けて進んでいった。


 ヤツはまだ近くにいる。強大なオーナラを感じるからだ。俺は懐から焼きイモを取り出した。一口イモをかじり、精神を集中する。


「ん、こっちだな」


 俺は再び走り出す。


 ビルの建設現場に到着した。ヤツのオーナラをより強く感じる。ヤツは間違いなくここにいる。俺は巨大な鉄筋のジャングルジムに入った。


「プープププププ! やはり来ましたね」


 仮面の男が現れた。心なしか体が一回り大きく見える。


「こういう場所じゃないと、本気を出せませんからね。フン!」


 ガタガタガタガタ


 あたりの鉄筋が小刻みに震える。体が重く感じる、動けない!


「どうです? 超重低音の威力は」

「おおおおおお!」


 重力から逃れるために俺は必死にオーナラを高める。


「はたして、このパスガスの技を破れますかな? プープププププププププププププププププププププププ!」


 ヤツの笑い声とともに鉄筋が激しく揺れた。


「おおおお!究極まで高まれ、俺のオーナラ!」


 俺の体が少しずつ震える光に包まれる。光が全身を覆った瞬間、俺を中心に巨大な光の柱が伸びた。光の柱が消えると俺のジャケットは黄金に光り始めた。


 ヤツに向かってダッシュで突進する。ヤツは紙一重で突進を交わし、距離をとった。


「動けるようになるとは。そのジャケット、まさか」


 ヤツの声に焦りを感じる。俺は必殺の構えをとった。


「その通り、大地の勇者の鎧、スイーツ・オブ・ガイアさ!」

「あなた、ガイアの使者だったとは。ププププププ」


 ヤツの体が大きく震え始めた。


 超重力鎮魂歌グラヴィティ・レクイエム


 強烈な重低音が俺を襲う。俺は一度深くしゃがみ、ヤツに向かって跳んだ。俺は黄金のサツマイモのオーラに包まれた。


 金時爆裂撃ゴールドヤム・バースト


 黄金のサツマイモがヤツを貫く。


 ボカーン!


 ヤツから数メートル進んだ後、爆発が起こる。ヤツは跡形もなく消えた。こうしてハロウィンの戦いは終わった。


 軽トラに戻ると、まだ初老の客が待っていた。


「やっと、お代が払えるよ」

「ありがとうございます」


 俺は客からお金を受け取った。客は俺の肩を叩く。


「精進せいよ、ガイアの使者よ」

「はっ」


 俺が振り向くと初老の男の姿はすでになかった。

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メタンヒーロー 焼きイモン ドゥギー @doggie4020

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