第261話 帰宅の途……。(13)

 麗しく花蓮な秦学園の四大美女、四天王のお姫さまも、優雅、麗しい姫さまらしい顔、表情から一変──。己の顔色を変え、怪訝な表情へと移り変わり。


「別にいいではないですか~。拍~。拍姉様は~。直ぐに怒るというか~? 何か事あれば直ぐに~。牝馬、暴れ馬の如く~。皆にすぐに八つ当たりばかりをして子供みたいに~」と。


 拍殿に不満を告げるのだよ、ッて。彼女、胡亥姫さまの、拍殿への不満は、これだけでは収まらない。ないのだ。


 だって彼女は? 黒き秦の二世皇帝へと一度は昇りつめたお姫さま、皇女殿下、太后殿下だからね。拍殿の荒々しい言葉、台詞、暴言に対して、売り言葉に買い言葉ではないが。


「別に妾は、拍姉様に頼んだ覚えはありません……。実際、先程の策を思案、実行に移そうと申してきたのは覇王籍ですから。主の申す事……。それに従うは家臣の務め……。拍姉様は、覇王籍の妃なのですから。夫の申す事に従うのは当たり前──。当たり前のことです!」と。ドーン! ドーンなのだよ。



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