第259話 帰宅の途……。(11)

 そう、まさに、魔王、覇王項羽、ここにありと言わんばかりと、言った感じと様子でね。己の気──。妖力、魔力を一気に増幅させて、百八十センチ以上もある覇王妃さまの身体を楽々とキャッチして彼女をね、お姫さま抱っこをしてみせる。


 また、それが、覇王妃さま自身も可能だと知っているから平然……。いつもの日常のように、籍へと覇王妃さまはダイブをする。するのだよ。


 でッ、また、その様子を常日頃から凝視をしている胡亥姫さまは、慌てふためいて逃げる。退却することもなく。


 己の主でありクラスメイトでもある籍に、子嬰姫のように『子嬰! 悪いのだが。羽が帰ってきたから。今度は羽に変わってもらってもいいか? 子嬰……』と、同じように告げられる迄は、逃げも隠れもしない。せずに。いつまでも己の主さまに寄り添い甘えている状態なのだが。



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