第249話 帰宅の途……。(1)

〈ドーン。ドンドン〉


〈ガタガタ〉


〈トントン〉



 ……ん? 階段の音? が、聞こえてきたような? ではないね?


 二階、籍の部屋から誰かが降りてきたようだ。


 それも? 慌てふためいた様子で、荒々しく降りてくるようだ。


 でッ、その荒々しい階段の足音に続くようにゆるりとした足取り、音を立てながら。


 多分? 二人の者達がついて、続くように階段を降り。下っている気がするのだが?



 もしかすると? 一人かも知れな?



 まあ、その時は、間違えと言うことで堪忍。許して欲しい。と、思っていれば。


〈ガン!〉


 今度は部屋の扉を開ける。それも? 勢い良く扉を開ける音が聞こえてきたのだ。


 だから? な、何? 何だ? 誰だ? この部屋──台所、リビングへと続く部屋を勢い良く開けた者は? と、思っていると。


「籍、帰ったぞ~!」と。


 女性の声色──。


 それも? 何とも言えない高らかで澄んだ声、だけではなく。大変に明るく元気の良い。


 そう、声の主である女性の周りにいる者達皆が元気、覇気が湧き出るような勢いある声音が聞こえてきたのだ。


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