　と、いっても？

　李信は梁さま達楚呉の敵だから関係ないとしても。自身の娘である覇王妃さまと妹君である拍殿を見て確認をすれば。

「拍～！　羽ちゃん～！　撤退をするわよ～！」と。

　武信君こと梁さまは、二人へと声を大にして叫びながら告げるのだ。

　でッ、それを聞いた覇王妃さまと拍殿は？

「母上様～！　あい～！　わかった～！」と

　覇王妃さまが梁さまへと言葉を返すと。それに続くように。

「は～い！　姉さん～！」と。

　拍殿も梁さまの下知に対して素直に言葉を返す。

　でッ、拍殿は梁さまへと言葉を返すと今度は覇王妃さまの方へと視線を変えて。

「羽～！　時間稼ぎを頼むはね～！」

　と、告げる。

「あい～！　わかった～！　姉上～！　儂が時間（とき）を稼ぐから～！　早く～！　馬に乗り～！　態勢を整えて～！　母上さまの位置迄撤退を～！」と。

　自身の姉君である拍殿の嘆願を聞いた覇王妃さまはこんな台詞を姉君へと返したのだ。

　でッ、返し終えれば？　それを聞いた拍殿は？　その場で尻餅をついたままの、可愛い様子でいる行為でいるのをやめて立ち上がる。

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