第226話 李信対覇王妃  (15)

 それも? 段々と? 拍殿が白馬に跨り、指揮をとっている場所……。


 そう~? 本陣へと、李信は近づいているのだ──。大変に巨大な漆黒の駿馬に跨り、駆け抜けてくる。


 だから? 白き甲冑を身に纏う美しく妖艶な拍殿も気が抜けない状態……。駄々指を咥えたままの状態で、自身の率いる家臣達や? 秦の黒騎士こと李信の、自分への突撃を黙って見詰めている訳にはいかない。


 だから拍殿も? 自身の妖艶に輝、唇を開いて──。


 彼女の紅色に怪しく光る瞳に映る、憎き敵である秦の黒騎士こと李信へと向けて、白き甲冑を身に纏う部下達に下知を下すのだ。


「撃てぇえええ~! 撃てぇえええ~!」と。


 そして?


「装着~!」


 その後は?


「構えぇえええ~!」


 そして? また?


「撃てぇえええ~!」とね。


 それも拍殿は? 何度も声を大にしながら叫び──繰り返し下知をだすのだ。



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