第284話 籍の様子は? (8)

「すごく好い。素敵だって言ってくれた。囁いてくれたわ。(ふっ、ふふっ)」と。


 拍殿が妖艶に微笑を浮かべながら言葉を漏らせばね。


「そうなの、拍!」と。


 梁様は驚愕なのだ。


「うん、そうだよ。籍はどうやら、この物の怪スタイル、容姿の方が、ファンタジー溢れるから好きみたいなの。(ふっ、ふふっ)」


 拍殿は梁様の驚嘆を聞いても、つられるように驚愕、驚嘆を漏らす訳でもなく。


 女神の笑みを浮かべ「ふっ、ふふっ」と、大変に御機嫌麗しい様子なのだ。


 だって、今迄拍殿が唯一、覇王妃様に劣るところは、このダークエルフのグレー色をした優艶な容姿、肢体だったのだから。


 それが手に入ったと言う事は、今度籍からの寵愛を一身に受ける可能性が拍殿は大なの、だから。


 まあ、今迄何度も説明をしてきたとは思うのだが。


 籍の本来の彼女は、彼の義理の叔母である、この拍殿なのだよ。


 だから彼女は、御機嫌が麗しい様子なのだ。





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