第283話 籍の様子は? (7)
「ようし! 籍を早く救出してこの容姿のままで、可愛がってもらうとするかね」と。
拍殿が大変に嬉しそうに呟けば。
「拍?」と。
梁様が拍殿に問いかけてきた。
だから拍殿は、首を傾げながら。
「姉さん、どうしたの?」と。
言葉を返せば。
「拍は籍と、その容姿、姿。ダークエルフの状態であったの?」
今度は拍殿ではなく、籍の義理の母上様が、首を傾げながら。
拍殿の今の容姿であるダークエルフの容姿を、自身が心から慕う義理の息子である籍が見て確認をしたのか? 問いかける。
「……ん? ああ、見たわよ。籍は、この精霊、物の怪の姿の私の事を」と。
拍殿が言葉を漏らしたところで。
「何て言っていた籍は? 拍のその容姿を見て確認をして? どんな様子だったの?」と。
梁様は、少し慌てふためいた様子、声音で問いかけてきたのだ。
だから拍殿は直ぐに、自身の脳裏で。
(姉さんは、自身の今の物の怪の容姿の事を気にしているんだ)
「ふっ、ふふふっ」と。
笑みを浮かべ。
(可愛いところがあるじゃない。姉さんは)
と、思う。
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