第282話 籍の様子は? (6)

 覇王妃様は、とうとう憤怒と、言っても。


 先程から何度も胡亥姫様へと憤怒! 怒声! 罵声を放っているから今更のような気もするのだが。


 また彼女の大変に麗しい顔を険しい顔へと変化をさせて、胡亥姫様へと不満を荒々しく告げれば。


 胡亥姫様は「はっ!」だ。


「はぁっ!」なのだよ。


 だってやっと、籍の母……。



 それが、いくら梁様が、籍の義理の母上様であろうとも。


 彼女が籍の母君様で間違えない訳だからね。


 そんな、梁様の御機嫌を胡亥姫様はやっととり、今後田中家へと彼女も、押し掛け女房として居候。


 自身の主である籍と共に暮らそうと思っているところに、覇王妃様の邪魔が入った訳だから。


 拍殿、覇王妃様に続き、今度は胡亥姫様も険しい顔へと変化。


 妖艶、麗しい、サキュバスの顔、表情から魔王へと変化──。


「はぁっ! 覇王! わらわが先程からお母様と今後の話し。会話をしている様子を凝視すれば。籍が! 殿が! 生きている事は明白! わざわざわらわに尋ねる事ではないでしょうに。それぐらいの事も貴女はわからないのですか?」


 胡亥姫様は、荒々しい口調で覇王妃様へと、自身と梁様との会話を邪魔するなと告げてきたのだ。


「ねぇ~、お母さまも、そう思いませんか?」の言葉も。


 可愛く付け加えながら、この場にいる者達へと、籍の生死の件は、大丈夫! 大丈夫! 心配ないと説明をすれば。


「そうなの、胡亥ちゃん?」


「良かった……。籍が生きていて……」


「そうか! じゃ、とっとと、この化け物を片づけて、籍を救出──。この混乱を収めるか!」と。


 覇王妃様が、最後に覇気のある勇んだ言葉と台詞を口に出せば。





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