第279話 籍の様子は? (3)

「だってお金の方は、もう使用しているし。あの援助金のお陰で、私仕事の方をやめる事が出来たから。運動がてらにお父さんの町道場のお手伝いをしょうかと思っているぐらいだから」と。


 拍殿の思いとは裏腹に、田中家の御当主さまである梁さまは、この通りの呑気なものだから。


『エンエン』と、潤む! 泣く! 行為を拍殿はやめて、素早く、即急に覇王妃さまと合流し。


 自身の主である籍を助けるべきだとは思うのだが。


 このお嬢さま、拍殿も、項家の女性だから、一度言い出したら頑固一徹、中々自身の首を立てに振らないタイプだから。


「えぇ、えええっ! でも? 姉さんだって困るでしょう? 籍を胡亥ってと、項羽が入ってきたら数の方も減るから満足出来ないでしょう? ストレスばかり増えて」と。


 不満のある声音で、梁さまへと問うのだが。


「私は一日一度で大丈夫だから。満足出来ないのは、拍と羽ちゃんと胡亥ちゃんぐらいじゃないかなぁ?」と。


 悩んだ人、考える人で答えれば。


「わらわだって一度で十分です。いつも籍は、そうですから」と。


 拍殿と覇王妃さまの事をチラチラ見ながら。


 不満があるのは、貴女と覇王でしょうと言った顔、様子で二人の様子を窺っていると。


「胡亥ー!」と。


 覇王妃さまが声を大にして呼ぶから。


「何ですか、覇王!」と。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る