第277話 籍の様子は? (1)

「胡亥ー!」


「……ん? 覇王、何ですか?」


「そろそろ、遊ぶのを辞めて仕事しようなぁ、胡亥……だけじゃないな? この場にいる皆だな!」と。


 最初は相変わらず、梁さまの目の前で、不慣れな正座をしながら腰を低く、深々と頭を下げて、日本人の妻らしく振る舞っている胡亥姫さまだけへと、覇王妃さまは不満を申すのかと思いきや。


 自身の姉の家──。


 拍殿自身もまがい、居候の身分、身の上なのに。


 今日から覇王妃さまと胡亥姫さまも田中家にお住まい、自分と一緒に暮らすからと。


 その事を聞き、嘆く拍殿──。


 胡亥姫さまから畏まった挨拶。


 お嫁宣言、お母さま宣言をされて困っている梁さま達三人……。



 そう、全く物の怪健司を討伐!


 自分達の主、籍の敵をとろうとしない、三人の戦姫達へと覇王妃さまは、漆黒色の騅に跨ったまま、相変わらず物の怪健司の悪戯、変態、羞恥プレイができる触手攻撃を一人裁き、反撃を繰り返しなら問いかけ、不満を漏らしたのだが。


「覇王! 今わらわは大事な場面でございます! だから話しかけないでください! 気がちりますから!」と。


 覇王妃さまは、胡亥姫さまへと不満を呟かれる。


 だから覇王妃さまは、直ぐの御怒りモード! 大〇神化しながら!


「胡亥! お前なぁ!」と。


 大変に低く、重たい声音で不満を告げるのだが。


 胡亥姫さまは、相変わらずのマイペース姫さまだから。


「お母さま、わらわに、そんなことを申されても困ると申されますが。当家は、お母さまの口座に学園名義で、かなりの高額なお金を毎月振り込ませてもらっているのと。我が主籍の学園費なども、みな免除となっているはずですが?」と。




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