第276話 胡亥姫さまの正体? (4)

「えっ! 嘘ぉっ! 何で物の怪のあんたが、今日から家でのうのうと暮らす訳……」と。


 拍殿は胡亥姫さまから覇王妃さまへと視線を変えて、彼女の事を睨みながら不満を漏らすのだが。


 拍殿の不満や不快感は、これだけでは収まりつかない。


 特に今の拍殿は前世のとは違い。


 そう、別人ではないかと、思われる程の、気性難! じゃじゃ馬娘さまだから。


 また拍殿荒ぶれた気は収まりつかないようだから。


 自身へと可愛く、悪戯娘ぽく、『アンカン、ベェー!』をしてくる覇王妃さまから、梁さまへと視線を変え。


「──姉さん! 項羽は、あんな事を平然と言っているけれど。一体、どう言う事なの?」かと。


 拍殿は大変に憤怒した表情。


 そう、彼女の麗しい顔の中にある、眉と瞼を吊り上げ、不満のある表情で、梁さまへと問うのだ。


「……えっ! いや、あのね、拍……。羽ちゃんは籍と同一人物で、私の娘だと告げてくるし。本当に羽ちゃんの顔を注意深く見れば、籍を女の子にすれば、こんな感じかなぁ? とも、思えてくるし。何だか良く見れば見る程。私や伯に似ている所があるなぁ~と、思えるから。本当に他人には見えない気がしてね。(あっ、ははっ)」と。


 最後は梁さま、拍殿の問いかけに対して、笑って誤魔化し始めるのだった。


 だから拍殿は、「そんなぁ」と、気落ち落胆した声音で呟けば。


 その場にまた、へたり込んでしまう拍殿だった。



 ◇◇◇

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