第275話 胡亥姫さまの正体? (3)

『えぇ、えええっ! 嘘ぁおおおっ⁉』


『籍の赤ちゃんが、お腹にいると言うのはウソだったのぉおおおっ⁉』と。


 梁さまと拍殿の御二人、自身の瞼を目大きく開け、胡亥姫さまのお腹に籍の子が宿っていない事に対して驚愕するのではなくて。


「えぇえええっ! 貴女ぁあああっ! 始皇帝の娘さんなのぉおおおっ⁉」と。


 梁さまが胡亥姫さまの家柄を聞き、驚愕をすれば。


 それに続くように拍殿の、自身の目を見開きながら。


「貴女が秦を破滅に追い込んだ我儘息子……じゃ、ないか。娘だった」


 と、呟けば。


「そうですよ~。わらわが趙高と二人でグル。親不孝をして、秦を破滅へと追い込んだ胡亥でございます。お母さま……。今晩からよろしくお願いしますね。(ふっ、ふふっ)」と。


 胡亥姫さまは、自身の身の上を知り、驚愕する梁さまへと、今晩から田中家の新たな女、妃として生活をするから『よしなに』と、告げるのだ。


 でも、そんな事を籍のお姉さま。


 幼少期から、大事な彼を支えてきた、覇王妃さまの最大のライバルである拍殿が安易に許す。


 許可する訳はないから。


「貴女ぁっ! 何を言っている、のぉっ? そんな事無理に決まっているでしょう。それに家の籍には、彼の身の回りの世話をする女性は。私と姉さんがいるから、もう間に合っています!」と。


 拍殿がいつも通りの鼻息あらく、『フン!』と、『フン!』と、胡亥姫さまへと告げれば。


「おぉ~い! この淫乱女がぁっ! 儂の事を忘れているではないか、今日から儂もあの家に住むのだからなぁ」と。


 覇王妃さまが拍殿に不満を申せば。






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