第273話 胡亥姫さまの正体? (1)
「わらわは、他界をしたあのひと。籍の妻でございます。お母さま……。今日より自宅の方で、わらわもお腹にいるこの子と共に、お世話になりますから。宜しくお願いします」と。
胡亥姫さまは、物の怪健司のじゃれ合いを放置──。
覇王妃さまへと。
「覇王、あの化け物健司のことは、あなたにお任せしますね。よろしくお願いします」と。
覇王妃さまへと嘆願──。
物の怪健司の胡亥姫さまへの悪戯行為とじゃれ合い。
悍ましく、卑猥、触手攻撃は全部、丸ごと、覇王妃さまへと任せて、自身の主、籍の母である梁さまの前、目の下で土下座──深々と頭を下げながら。
籍の妃の一人だから、今晩から自宅の方でお世話になりますと、梁さまへと告げてくるから。
「嘘ぉおおおっ!」と。
咆驚してしまう、だけではない。
「あ、貴女、今、家の籍の子供がお腹にいると言っていなかった?」
梁さまは、胡亥姫さまの話しを聞き、動揺を隠せない顔をしながら、『あわあわ』と、慌てふためいた様子で問いかける。
でも、胡亥姫さまは、いつものペース。
ゆるりとした口調、声音、微笑み。
いかにも高貴な出のお嬢さま、姫さまらしい様子、振る舞いで。
梁さまの問いかけに対して。
「はい。そうでございます。お母さま」と。
「うっ、ふふっ」でね。
「不束者ではございますが、お母さま。今後は何とぞよろしくおねがいします」と。
胡亥姫さまは、照れ恥ずかしそうに笑みを漏らしながら梁さまへと言葉を返すものだから。
今度は梁さまではなく。
「うっ、うぅ、ううっ」と。
自身の彼氏、主である籍の死を惜しんで、嗚咽を漏らしていた拍殿が慌てて顔を上げ。
「はぁ、あああっ! あ、貴女ぁあああっ! 籍の子がお腹にいるって、どう言う事なのぉおおおっ⁉」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます