第245話 妖魔、魔物の?(15)
「……じゃ、胡亥。籍を助けてもらったついでで悪いのだが。この場の空間を闇で覆って、人間共が暮らす世界と分けてはくれぬか? これだけ人の目。他人の目があれば、儂もお前も本来の姿に戻る事ができぬから。胡亥頼む、空間を分けてくれ」と。
覇王妃さまは、自身の目を細めながら物の怪健司を睨みつけたままの状態で、胡亥姫さまへと珍しくお礼だけではなく。嘆願までおこなってくるのだ。
う~ん、でも?
胡亥姫さまは、自身の真下。身体を密着したままの状態でいる籍──。
そう。また無謀な猪突猛進を決行しないようにと、大事な主を押さえ付け。身動きとれないよう束縛し。固定している最中……。
「胡亥、離せぇえええっ! 離してくれぇえええっ! 俺は健司のツレ、友人として、どうしても奴の。健司の暴走。悪態行為。悪戯行為をとめなくてはいかん! いかんのだから! 頼むよ! 胡亥ー! 俺を離してくれ。そして自由にしてくれぇえええっ! 解放をしてくれぇえええっ!」と。
自身の密着した下で、籍が大騒ぎ、暴れる度に、彼の喉元、耳をガブ! ガブガブっと噛み。チュチュ、レロレロをしては、主人の荒ぶれている。勇んだ気を抑え、鎮静をさせながら甘えていた胡亥姫さまだから。覇王妃さまに声をかけられ彼女は、籍へと甘える行為がストップ。中断をしてしまったから、怪訝な表情で覇王妃さま見詰めてくるのだ。
「覇王、貴女が一人でやればよろしいではないですか?」と。
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