第239話 妖魔、魔物の?(9)

 大騒ぎ。喧騒を始めだし、ワッと、騒ぎ立てながら逃げ纏う人の姿もでてきたのに嘔吐をおこなっているようだ。


 でも、物の怪健司は嘔吐しながらも。「ペッ!」、「ペッ! べッ!」と地面に唾を、嘆を吐くように。これもどれが彼の口だかわからない箇所から吐かれるのだが。吐かれる度に、先程物の怪健司が食べた。飲み込んだ。


 まあ、どちらでもいいことなのだが。覇王妃さまと胡亥姫さまの、白熱した少しエッチなチラリ。官能的なパンチラシーンもある剣技と拳の争いを拍手、手を叩き、絶賛をしていた男達だろうと思われる。異物達……。


 そう、小型、人型物の怪健司の分身を吐き出しては、その異物な物達が、通りすがりの人達、老若男女、子供、犬猫問わず襲い始めたのだ。


 自転車やバイク、車に乗る者達にも襲い始め出したから。この辺り……。


 物の怪健司少年を中心に、近くの駅やバスターミナルへと向けて人型の物の怪達は、ゾンビ、キョンシーの集団達のように、己の両手を前へ突き出し、気だるげに歩行。歩き、移動しながら。自分達が目につく動く物達を。


「「「うぉ、おおおっ!」」」


「「「がぁ、あああっ!」」」と。


 奇声を上げ襲い始めるので。この辺りは刹那──。


 殺伐とした光景と、いうか?


 何とも嫌らしいと。破廉恥極まりない。官能的な老若男女、幼い子供の男女の下着姿や裸体──。毛の無い猫、犬、雀に、烏、鳩などが。


「「「うわぁ、あああっ!」」」


「「「きゃぁ、あああっ!」」」


「「「たすけてぇえええっ!」」」


「「「誰かぁあああっ!」」」


「「「警察をぉおおおっ!」」」


「「「自衛隊ぉおおおっ!」」」








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